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2012 Fiscal Year Research-status Report

空コンテナの一時利用制度を活用した国内貨物の輸送が都市交通環境に与える影響の分析

Research Project

Project/Area Number 23560624
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

秋田 直也  神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 講師 (80304137)

Keywords環境政策 / 地球温暖化ガス排出削減 / 物流・貨物輸送 / 空コンテナの効率輸送
Research Abstract

本年度は、提案する国内輸送システムの導入効果を、空コンテナを運送するためのトラックの移動に着目して算定するための基礎的な分析として、大阪港に発着する国際海上コンテナ輸送トラックの走行実態調査から、大阪港に発着するトラックの1日の運行挙動を明らかにすることを試み、以下の成果を得た。
①大阪港の後背圏におけるトラックの発着施設が高速道路の近辺に集中して立地しているとともに、これら施設が臨海部に加えて、都心部を跨いだ東大阪市や茨木市などに多く立地していることがわかった。また、大阪港が輸入貨物を主に取り扱う都市型港湾であることから、輸出貨物を取り扱う施設が非常に少ない状況を確認することができた。さらに、多くの発着施設で、コンテナからの貨物の取り出し作業、または、コンテナへの貨物の詰め込み作業が行われており、この間、トラックは待機していることがわかった。
②トラックの走行経路として、主に高速道路網が利用されており、とりわけ、阪神高速1号環状線・16号大阪港線への負荷が高くなっていることがわかった。また、高速道路の利用要因として、走行時間帯と大阪港からの距離が寄与していることが示せた。さらに、発着施設への搬入指定時刻がある場合、施設での待機時間が長くなる傾向があることが示せた。
③トラックが大阪港から出発し、再び大阪港に帰着するまでの一連のトリップの連鎖を一つのラウンド輸送として捉え、トラックの1日の運行パターンを把握した。その結果、大半のラウンド輸送が2トリップで構成され、2~5時間程度が1回のラウンド輸送の平均所要時間であることや、午前中までに大阪港に帰着するラウンドが多いことがわかった。また、トラックの6割は、1日に1回のラウンド輸送しか行えておらず、大半が1日に2回までに留まっていることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本年度は、提案する国内輸送システムの導入効果を、空コンテナを運送するためのトラックの移動に着目して算定するための基礎分析として、大阪港に発着するトラックの1日の運行挙動を明らかにすることを試み、一定の成果を得た。しかしながら、本分析に時間がかかりすぎたため、得られた成果を踏まえて、空コンテナ輸送と国内貨物輸送とをマッチングさせる手法の開発に取り組むまでには至ることができなかった。このため、現段階において、本手法が完成されていない状況となっている。
また一方で、今年度、神戸港・大阪港の港勢圏に立地する荷主を対象としたアンケート調査を企画・実施する予定であった。しかし、空コンテナ輸送と国内貨物とをマッチングさせる手法の開発の遅れから、提案する国内輸送システムの利用意向に寄与すると考えられる要因の抽出が進まなかった。このため、予定していた荷主を対象としたアンケート調査を実施するまでには至っていない。
こうしたことを総合的に判断して、「遅れている」とした。

Strategy for Future Research Activity

本年度明らかにしたトラックの運行挙動を踏まえながら、空コンテナ輸送と国内貨物輸送とをマッチングさせる手法の開発を引き続き行う。具体的には、研究の遂行が遅れぎみであるため、①輸入荷主から輸出荷主へ、直接、空コンテナを輸送する方法と②輸入荷主から、内陸部デポに空コンテナを搬入して、輸出荷主へ輸送する方法ごとにモデルの開発を行う予定であったが、より実態に即した②の方法を先行させてモデルの開発を行う。さらに、導入効果の算定にあたっては、本年度の成果を踏まえて、空コンテナを運送するためのトラックの移動に着目して行うものとする。また、空コンテナODと国内貨物ODを変化させたシナリオを設定するにあたっては、今年度、明らかとしたトラックの発着施設の立地分布を考慮して行う。
その一方で、今年度、実施する予定であった神戸港・大阪港の港勢圏に立地する荷主を対象としたアンケート調査を実施する。また、研究を進めていく中で、荷主だけでなく、運送事業者の利用意向の把握も必要であると判断されることから、新たに運送事業者に対するアンケート調査を実施したい。その上で、得られたアンケート調査データをもとに、提案する国内輸送システムに対する荷主と運送事業者の利用意向を、多変量解析法、マーケットセグメンテーション手法、共分散構造分析などを用いて多面的な視点から把握する。
さらに、本研究のまとめとして、得られた種々の結果をもとに、総合的な視点から、提案する国内輸送システムを導入する上での課題を抽出する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度、神戸港・大阪港の港勢圏に立地する荷主を対象としたアンケート調査を実施する予定であったが、空コンテナ輸送と国内貨物輸送とをマッチングさせる手法の開発の遅れから、提案する国内輸送システムの利用意向に寄与すると考えられる要因の抽出が進まなかったため、実施するまでには至らなかった。その一方で、研究を進めていく中で、荷主だけでなく、運送事業者の利用意向の把握も必要であると判断される。こうしたことから、研究費を次年度に繰り越し、あらためて、荷主を対象としたアンケート調査に加えて、運送事業者に対するアンケート調査を企画・実施する。アンケート調査の企画・実施にあたっては、荷主と運送事業者との利用意向が比較できるように、2つの調査を関連づけながら行っていきたい。また、提案する国内輸送システムの利用意向に寄与すると考えられる要因を早期に確定するために、空コンテナ輸送と国内貨物輸送とをマッチングさせる手法の開発と並行して、NPO団体との連絡を積極的にとり、多くの助言を受けるとともに、コンテナのラウンドユース輸送を実施している荷主企業と運送事業者を紹介してもらい、ヒアリング調査を実施したい。
アンケート調査の配布・整理にあたっては、研究補助員を動員することによって効率的に行いたいため、人件費・謝金を計上している。
また、NPO団体との研究打合せ、ならびに、ヒアリング調査のための国内旅費と、得られた成果を所属する土木学会などで発表するための論文投稿費用、ならびに、国内・外国旅費を計上している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 3 results)

  • [Journal Article] 神戸港・大阪港で取り扱われる国際海上コンテナ貨物の国内輸送実態の分析2012

    • Author(s)
      秋田直也・小谷通泰
    • Journal Title

      交通工学研究発表会論文集

      Volume: 第32回 Pages: pp.79-84

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] AHPを用いた荷主による自家用・営業用貨物車の評価要因に関する分析2012

    • Author(s)
      秋田直也・大久保隼人・小谷通泰
    • Journal Title

      交通工学研究発表会論文集

      Volume: 第32回 Pages: pp.73-77

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 運送事業者からみた荷主とのパートナーシップの実態分析2012

    • Author(s)
      秋田直也・小谷通泰
    • Journal Title

      都市計画論文集

      Volume: Vol.47,No.3 Pages: pp.331-336

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 搬入指定時刻が国際海上コンテナ輸送トラックの運行挙動に与える影響の分析2012

    • Author(s)
      杉本祥・秋田直也・小谷通泰・島本真嗣・竹林弘晃
    • Journal Title

      土木計画学研究・講演集

      Volume: Vol.46 Pages: CD-ROM

URL: 

Published: 2014-07-24  

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