2012 Fiscal Year Research-status Report
地理空間データを活用した高精度衛星測位の精度向上手法に関する研究
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23560632
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐田 達典 日本大学, 理工学部, 教授 (40459855)
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Keywords | GNSS / GPS / GLONASS / マルチパス / 伝搬遅延 / 点群データ |
Research Abstract |
測位衛星は現行のGPS、GLONASSに加えQZSS、Galileoなどの衛星配備が予定され、衛星数が過多になりつつある。高精度衛星測位ではマルチパスや伝搬遅延に起因する誤差の大きい衛星電波を受信した場合に精度劣化が予想される。そこで、観測点と周辺地物の3次元 位置・形状データ及び各衛星の位置との関係から、各衛星毎のマルチパスの有無と伝搬遅延誤差を推定し、観測点での各衛星電波の誤差を予測する手法を理論的・実証的に検討する。そして、誤差の大きい衛星電波を除外するとともに、衛星の幾何的な組合せの良否も 考慮して測位に最適な組合せの衛星電波を選択する手法を構築する。本年度は下記の内容を実施した。 1 本実験の実施:前年度実施した予備実験の結果を踏まえて、複数の建物と道路から構成される街区を対象として道路面・建物面の3次元位置・形状を3次元点群データとして取得しモデル化した。また、街区内に設定した多数の観測点で干渉測位を実施し衛星電波観測データを収集した。これらの実験データに基づき、観測点と周辺地物の3次元位置・形状データとの関係からマルチパスの有無を推定できるかを検討した。その結果、衛星から送信される二つの搬送波を用いた衛星・受信機間の距離変化を夫々観測しその差を指標として用いることで、マルチパスの影響を受ける衛星電波の判別が可能であることを確認した。さらに、本指標を用いて利用衛星を選択することで、高精度解(Fix解)の取得率が増加することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度実施した予備実験の結果を踏まえて本実験を行い、その結果を解析した結果、目標としているマルチパスの影響を受ける衛星電波の判別を有意に行える指標を設定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
測位に最適な組合せの衛星電波を選択する手法の検討を行う。マルチパスの有る衛星電波、誤差の大きい衛星電波を除去することと、衛星の幾何的な組合せの良否の双方を考慮して、測位精度が最高となる組合せの衛星電波を選択する方法を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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