2011 Fiscal Year Research-status Report
脱窒バイオカソードを適用した微生物燃料電池性能の向上と有機物・窒素処理への応用
Project/Area Number |
23560639
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
渡邉 智秀 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60251120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粕谷 健一 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60301751)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 微生物燃料電池 / 脱窒 / バイオカソード / 廃水処理 / 窒素処理 / バイオリアクター |
Research Abstract |
電極間距離、電極面積、植種源等の異なる平板状電極材を用いたラボスケールの二槽式微生物燃料電池の回分実験を実施して次の結果を得た。1.アノード-カソード間距離約2cmの系に比べ、膜電極接合体(MEA)構造とした約0.2mmの系では、最大電流密度約1.3倍、最大電力密度約1.1倍で内部抵抗は半減し、支持電解質濃度に依存するものの、出力向上効果が認められた。2.MEAを用いた系でアノード面積基準の出力は、カソード面積の増大に伴って増大し、カソード反応速度が出力に強く影響することがわかった。また、カソード面積基準の出力も増大し、カソード性能の向上に対応してアノード生物膜の電気産生能も向上することが示唆された。3.電流密度、酢酸消費速度および硝酸イオン減少速度は、400mg-N/Lまでの実験範囲でカソード液の初期硝酸イオン濃度依存性が認められた。しかし、電流密度は、カソード室の硝酸イオン減少速度に比べて濃度上昇に伴う増大割合が1/3程度であり、プロトン交換膜を介した硝酸イオンの透過が影響を及ぼし、その改善が必要であることがわかった。4.硝酸イオンの膜透過量が小さい実験系での物質収支から硝酸イオン消費に対する電荷収率が65%程度であるのに対し、有機物消費に対するそれは非常に小さく、本系はカソード反応速度に性能が強く依存することが示唆された。5.異なる有機炭素源で培養された脱窒汚泥をカソードへ植種した場合、酢酸基質脱窒汚泥植種系は短期間でスタートアップ可能であった。植種およびカソードから採取した汚泥の真正細菌を対象としたクローン解析からThauera属、Aquaspirillum属、Hyphomicrobium属またはこれらに近縁の脱窒細菌が存在していることが示され、酢酸資化性の脱窒細菌の中に電気産生に関与する微生物の存在割合が高い可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アノード-カソード間電極面積比や電極距離が異なる脱窒バイオカソードを用いたMFCをスタートアップして、それらの特性を比較するとともに初期有機物ならびに硝酸イオン濃度依存性について概ね当初計画のとおり進んでいる。微生物群集の調査は、実験装置構造の制約等で、試料採取方法やDNA回収量について再検討が望ましい。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に当初の計画に沿って研究を遂行する予定である。微生物群集調査では、実験装置サイズや試料採取方法ならびにDNA回収方法等の改善を優先的に進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「今後の研究の推進方策」に記したように、当初予期していなかった変更が若干生じるものの、大幅な経費の見直しは不要な範囲であると考えられ、概ね当初計画に沿って使用する予定である。
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Research Products
(4 results)