2013 Fiscal Year Annual Research Report
脱窒バイオカソードを適用した微生物燃料電池性能の向上と有機物・窒素処理への応用
Project/Area Number |
23560639
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
渡邉 智秀 群馬大学, 理工学研究院, 教授 (60251120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粕谷 健一 群馬大学, 理工学研究院, 教授 (60301751)
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Keywords | 微生物燃料電池 / 脱窒 / バイオカソード / 廃水処理 / 窒素処理 / バイオリアクター |
Research Abstract |
本年度は比表面積に留意して粒状炭素材の充填層電極型とした二槽式MFCを異なる条件で連続操作し、以下の成果が得られた。 アノード槽への流入負荷が一定の下でカソード槽への流入硝酸イオン濃度で流入負荷を変更した場合、600mg-N/Lまでの範囲で最大電流密度は概ね同程度であったのに対し、硝酸イオン減少速度は流入濃度の増大に対応して増大した。これは、隔膜となるプロトン交換膜の硝酸イオン透過性に起因し、アノード槽へ透過した硝酸イオンはアノード液中の有機物を利用した従属栄養性脱窒により消費された。一方、カソード槽への通水速度で流入負荷を変更した場合、滞留時間が5~15hの範囲では、平均電流密度と硝酸イオン減少速度は概ね同程度で影響は小さかった。また、安定的に運転されているMFCでは、カソード槽で減少した硝酸イオンの90%以上が電気生成を伴う消費によるものであり、カソード槽での脱窒速度と出力の強い相関性が見出された。 連続操作を継続すると実験開始から130~150日程度で出力が低下傾向を示し、基質溶液に添加した無機塩類の一部が電極材や隔膜表面にスケールを形成・成長したことによる導電性や接触性の低下、集電体と粒状電極の接触性ならびに充填層内液混合状態等が影響を及ぼしていることがわかった。カソードの生物膜中には、前年度と同様にParacoccus denitrificansやParacoccus pantotrophus等やそれらに近縁な独立栄養性の脱窒細菌が検出され、カソード槽が独立栄養環境であることとの関連性が認められた。 本研究課題の実施を通じて、脱窒バイオカソードを適用したMFCで電気的出力を得ることが可能であることおよびカソード反応速度が性能の重要な因子であることが明らかとなるとともに、性能向上への検討が必要であるものの充填層電極型脱窒バイオカソードの適用可能性が示された。
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Research Products
(7 results)