2014 Fiscal Year Annual Research Report
低価格オンサイト・連続測定のボルタンメトリ法による水・土壌中微量有害元素分析確立
Project/Area Number |
23560643
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤川 陽子 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (90178145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 正孝 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (60026119) [Withdrawn]
濱崎 竜英 大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (50340617)
尾崎 博明 大阪産業大学, 工学部, 教授 (40135520)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ボルタンメトリ / 砒素 / 地下水 / 重金属 / 自動化 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らはアノーディック・ストリッピング・ボルタンメトリ(ASV)法による環境水試料中の微量元素分析に着目した研究を行ってきた。これまで研究の一環として自動化したASV装置を野外に設置して、全砒素のオンライン自動分析に活用してきたが、平成26年度はこの自動ASV分析装置を水中の鉄と砒素を除去する鉄バクテリア生物濾過法の原水と処理水中の亜砒酸および全砒素の全自動オンライン分析に用いることにした。また、ASVによる全砒素と亜砒酸分析の正確さを検証するために、ASV装置の採水試料を実験室に持ち帰り、LC-ICP-MSによる亜砒酸および砒酸分析に供して、ASV自動分析の結果と比較した。その結果をもとに、自動ASV装置による亜砒酸濃度の常時監視法に関する新たな知見を得た。 現場に設置したASV自動測定の装置は電圧掃引プログラムを設定し、内蔵のポンプにより電解質やサンプル、標準液などを設定した量だけ電解セルに送り、プログラムで指定した時間間隔ごとに測定を行う仕様である。ASVの電極は、作用極は固体金電極、対極は白金、参照極は銀・塩化銀電極(1M KCl)、定量は、標準比較法とした。 全砒素分析と亜砒酸分析を同じ自動ASV装置で逐次行う設定にした結果、亜砒酸分析実施後の全砒素分析において、著しく砒素標準液の測定の感度が低下する現象が認められた。亜砒酸だけ、あるいは全砒素だけを自動測定した時にはこのような感度低下は認められなかった。原因としては亜砒酸分析時に試料の酸化防止のために添加するアスコルビン酸の影響が考えられたがその機構は十全に明らかになったとは言えない。アスコルビン酸使用後の電極の電気化学的活性化もしくは砒素標準液の繰り返し測定が対策として有効であった。LC-ICP-MSとの分析結果は20-30%の誤差の範囲で一致した。
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Research Products
(4 results)