2013 Fiscal Year Annual Research Report
淡水-海水コラボレートAnammox培養系の構築と窒素除去技術への応用
Project/Area Number |
23560647
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
川越 保徳 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00291211)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森村 茂 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (20230146)
|
Keywords | 環境保全 / 環境微生物 / Anammox / 窒素除去 / 海洋性細菌 / 淡水性細菌 / 混合培養 / 水処理 |
Research Abstract |
「研究成果の具体的内容」 H24年度はじめまでに,し尿処理場汚泥を植種源(種汚泥)として,窒素容積負荷(NLR)0.3g-N/L/dで窒素除去率(NRE)約90%の窒素除去能を有する淡水性Anammox細菌(FAAOB)培養系を得た。これにより,H24年度内には完全混合型反応(培養)槽でのバイオマス淡水-海水コラボレートAnammox培養系(CAAOB)を構築し,温度:27.5℃,塩分濃度:17%で窒素負荷(NLR)0.07g-N/L/d,窒素除去率(NRE)90 %のCAAOB培養系の構築に成功した。 最終年度の成果としては,CAAOBを固定床型反応槽にて,1) 海洋性Anammox細菌の培養条件,2) 淡水性Anammox細菌培養条件,3) 淡水と海水の中間的条件で各々連続培養し,窒素除去可能性と細菌叢の推移を明らかにした。いずれの条件下においても,5日間以内で窒素容積負荷0.1g-N/L/dにて70%以上の窒素除去率が認められ,最大で0.7g-N/L/dのNLRにて85%のNREを得ることに成功した。また,16SrRNA配列相同性に基づくCAAOB培養系の細菌叢解析は,Anammox細菌の97%が海洋性細菌のPlanctomycete UKU-Uであり,淡水性細菌のCandidatus “Brocadia caroliniensis”は3%程度に過ぎないことを明らかにするなど特筆すべき知見が得られた。 「意義と重要性」 種々の培養(外的)条件においてもCAAOBが機能して窒素除去能の発揮,およびAnammox細菌の存在比が変化する可能性が示されたともに,淡水性と海洋性の Anammox細菌の共存が確認され,淡水-海水コラボレートAnammox培養系を活用する窒素除去技術の開発に向けた更なる研究を実施する上で極めて有意義な知見が得られた。
|
Research Products
(8 results)