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2011 Fiscal Year Research-status Report

口蹄疫等による家畜の大量埋却処分地から発生する環境負荷発生量予測に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23560648
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

関戸 知雄  宮崎大学, 工学部, 助教 (50301015)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords家畜埋却地 / 環境負荷
Research Abstract

本年度は、家畜を模擬したラットを充填したカラム実験を行い、汚染物質(浸出水による有機汚濁物質、腐敗性ガス)の発生速度、発生量を検討した。実験条件は4つとした。カラムAは、日本の平均年間降雨量の0.5倍、カラムBおよびDは平均降雨量の約0.25倍の降雨を行った。カラムCは降水量を0とした。カラムDは、試料上部におがくずを敷いた。浸出水については、pH、TOC、COD、T-N、アンモニア性窒素、タンパク質溶解成分、タンパク質難溶成分、BOD、各種陰イオン、陽イオンについて測定を行った。 実験初期は、ラットの体液が下部に浸透したことで高濃度のBOD、COD、TOCが検出され、50~70日付近で、微生物による有機物の可溶化により一時濃度が上昇した後徐々に減少した。降水量の多いカラムAと比べ、降水量の少ないカラムB、Dがやや高い濃度推移を見せたことから、降水量が濃度に影響を与えていることが分かった。また、全く降水を行っていないカラムCからは、少量ではあるものの高濃度の浸出水が検出されたことから、未だカラム内に高濃度の有機物が残存している可能性が示唆された。 降水量の違いによってメタンガスの発生が異なった。降水量の多いカラムAでは、有機物の洗い出しによりメタン発酵を阻害するアンモニア性窒素の濃度低下が促されたことで、メタンガス発生したと考えられる。カラムBおよびDも、浸出水中アンモニア性窒素濃度が低下した後にメタンガスの発生が見られたが、高濃度のアンモニア性窒素が残存していると思われるカラムCからは、メタンガスの発生はほとんどなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

目標としていたカラム実験実施は、予想以上の発生ガス量が発生し、カラムが破壊され、実験開始が予定より遅れた。しかし、装置を改善することで開始することができ、その後はガス量測定、浸出水水質測定を実施できていることから、おおむね目標通り進展している。本年度のカラム実験で、初期に発生する浸出水量や有機汚濁成分濃度について明らかにすることができ、成果をもとに、埋却地下部からの浸出水の地下浸透を表現できるモデル開発のためのデータを得ることができた。また、充填した試料の分析を行い、平成24年度までのカラム実験における物質収支も測定することができている。 バッチ実験はカラム実験の遅れのため開始できなかったが、予備実験は行うことができており、開始は問題ないと思われる。ただし、カラム実験より明らかになった事実として、ラット粉砕試料をそのまま容器内に入れても、初期には試料中に残存する酸素を利用した好気的分解によりガスが発生するが、その後はアンモニア阻害によりメタン発酵が起きないことが明らかとなった。このため、粉砕試料を消化液等で希釈することで、試料中有機物のガス化可能量を明らかにする。 以上より、現在までの目標はおおむね達成していると思われる。

Strategy for Future Research Activity

カラム試験では、実験期間中に充填試料を採取することができないため、試料中有機物の可溶化の経過を知ることはできない。また、カラム試験では土壌を上部に敷設しているため、発生したガスが土壌で分解吸着を受ける可能性があり、ガス発生量を正しく測定できないという問題がある。そこで、埋却物の分解速度および発生するガス量を定量するために、フラスコによるバッチ分解実験を行う。粉砕した試料を容器に入れ密閉し、発生するガス量および濃度を測定する。以上の結果より、試料からのガス発生量および発生速度と、試料中有機物の可溶化速度を明らかにする。 また、カラム試験およびガス発生速度実験を継続する。埋却地の掘り起こしが3年間禁止されていることを受けて、実験開始から約3年間(平成25年12月)まで実験を継続する。実験終了後にカラムを解体し、充填試料を採取し、表3に示した項目を測定する。これにより、実験期間中に系外に流出した物質量を知ることができる。 カラム試験およびバッチ式埋却物分解実験の実験結果を用い、埋却地からの浸出水による汚染物質(有機物、窒素化合物(アンモニア、硝酸、亜硝酸))挙動を表現する数値モデルを開発する。これにより、汚染物質の地下水への影響について明らかにする。モデルで用いる水分特性曲線や拡散係数等は、様々な条件に対して数多くの研究がなされているため、本研究ではそれらを文献地として引用し、計算を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

継続的にカラム実験より発生するガスや浸出水水質測定を実施するために、薬品等および測定装置運転に必要なガス等の消耗品を購入する。また、海外での学会発表用の旅費として使用する予定である。 設備備品として、試料保存用の冷蔵庫の購入を予定する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] カラム実験による家畜埋却地から発生する浸出水性状に関する研究2012

    • Author(s)
      藤原尚洋、関戸知雄、土手裕、鈴木祥広、稲垣仁根、 森田哲夫
    • Organizer
      平成23年度土木学会西部支部研究発表会
    • Place of Presentation
      鹿児島大学
    • Year and Date
      2012年3月3日
  • [Presentation] 模擬カラム実験による家畜埋却処分地からの初期浸出液性状に関する研究2011

    • Author(s)
      関戸知雄,土手裕,森田哲夫,稲垣仁根,鈴木祥広
    • Organizer
      第22回廃棄物資源循環学会研究発表会
    • Place of Presentation
      東洋大学
    • Year and Date
      2011年11月5日

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Published: 2013-07-10  

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