2013 Fiscal Year Annual Research Report
口蹄疫等による家畜の大量埋却処分地から発生する環境負荷発生量予測に関する研究
Project/Area Number |
23560648
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
関戸 知雄 宮崎大学, 工学部, 助教 (50301015)
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Keywords | 家畜埋却 / 口蹄疫 / 有機物 / メタンガス |
Research Abstract |
本研究では,模擬家畜を用いた室内模擬埋却実験と密閉容器を用いたバッチ分解実験により,口蹄疫等により家畜の大量埋却処分により発生する環境負荷物質の同定と発生速度、発生量を推定し,埋却地直下の土壌への汚染物質の負荷を明らかにすることを目的とした。 カラム実験開始後約2週間のうちに,高濃度のTOCを含む模擬家畜の体液由来の浸出液が発生した。家畜の埋却時には,高濃度の有機汚濁物を含む体液の噴出を防止するため,おがくずに加えて容易に入手可能な材料の選定や開発が必要である。埋却直後は,悪臭成分を含む急激なガス発生が起こった。その後,散水により保有水中のNH4+濃度が低下することで,メタンガスが発生し,ガス発生量が増加した。その時期は,散水量が大きい方が早く始まることから,降水により家畜が洗われる埋却方法をとることにより,埋却地内部の有機物の減少を促進することができることが分かった。また,おがくずを添加することで,発生するメタンガス量が削減されたが,削減メカニズムを明らかにするためにはさらに研究が必要である。本研究の結果より,家畜をシートでくるみ,模擬家畜が降水により現れない場合,70%の炭素が埋却地内に残存する可能性が示唆された。このように埋却した家畜の物質収支を推定した研究はこれまでになく,家畜埋却技術を確立するために重要な情報を得ることができた。本実験で得られた浸出液中の有機物濃度結果を受けて、浸出液中有機汚濁物質の土壌中浸透挙動を数値モデルにより計算した。今後は,有機物の分解係数の検討や土壌への吸着量を推定することで,より詳細なモデルへと発展させることが必要である。 今後の課題として,跡地利用も考慮した安全で環境低負荷である家畜の埋却方法の確立や,残存する有機物の分解処理技術開発が求められる。
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Research Products
(2 results)