2013 Fiscal Year Annual Research Report
磁性活性炭を使った磁気分離による新しい浄水処理技術の開発
Project/Area Number |
23560650
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
三浦 大介 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (50281241)
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Keywords | 磁気分離 / 磁性活性炭 / 磁性ゼオライト |
Research Abstract |
本研究は、新たな浄水処理法として磁性吸着剤と超伝導磁石を用いた高勾配磁気分離による浄水技術の検討、及びシステムの提案を行ったものである。除去対象物質はフミン酸、アンモニア態窒素、かび臭原因物質(2-メチルイソボルネオール)であり、それらを効果的に吸着する磁性吸着剤を継続開発し、その吸着性能と磁気分離性能の向上を図った。作製した吸着剤は、対フミン酸用の磁性メソポーラス活性炭(MMPC)、対アンモニア態窒素用の酸化磁性活性炭(Ox-MAC)、及び同様にアンモニアの吸着特性に優れた磁性ゼオライト(MZL)の3種類である。化学的及び物理的担磁法により印加磁場が1 Tの時、最大磁化はMMPCが30.7 emu/g、Ox-MACは0.99 emu/g、MZLは35.2 emu/gを達成した。吸着性能はMMPCはフミン酸を最大92.3 %除去し、アンモニア態窒素においては、Ox-MACが74.9 %、MZLは88.7 %の高除去率を達成した。また2-メチルイソボルネオールに対しては、MMPCが吸着可能という事実を確認できた。これらの吸着剤は熱処理することで再利用できる。一方、磁気分離に必要な磁場、流速、吸着剤の磁化の関係性を、磁性粒子の軌道シミュレーション解析により評価した。有限要素法ソフトを用いて磁場と流速を解析し、そのデータを自作プログラムの運動方程式に組み込み、微分方程式をオイラー積分することで解析した。その結果、実用的な流速1 m/sを用いる場合、磁場2 T、磁化10 emu/gが必要であるとの結論を得た。実際に作製した吸着剤を用いて高勾配磁気分離実験を行った結果、磁化16.7 emu/gの吸着剤の漏れ率は0.01 %未満であり、シミュレーション結果とも半定量的に一致した。これらのデータを用いて磁性吸着剤と高勾配磁気分離による浄水処理システムの仕様を検討した。
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