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2011 Fiscal Year Research-status Report

排水中資源を再利用する新規電解促進酸化処理法の開発

Research Project

Project/Area Number 23560655
Research InstitutionRyukoku University

Principal Investigator

岸本 直之  龍谷大学, 理工学部, 教授 (00293895)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords電解促進酸化処理
Research Abstract

(1)鉄イオンと次亜塩素酸を用いた電解促進酸化処理 フローセル型反応器を用いて,通水速度(流速),電極間距離,電極素材,初期鉄イオン濃度,初期塩化物イオン濃度,電流密度が処理効率に及ぼす影響やアノード反応,カソード反応に及ぼす影響を評価した。その結果,流速はアノード反応,カソード反応いずれも促進したが,電流密度はアノード反応を促進したが,カソード反応は逆に抑制された。また,初期鉄イオン濃度,初期塩化物イオン濃度はそれぞれカソード反応,アノード反応を促進した。最終的にアノード反応とカソード反応のバランスが重要であり,適切な条件においては電流効率は97%に達した。鉄汚泥の再利用に関しては,板状電極を用いた槽型回分式電解槽を用いて評価した。その結果,電解槽内で鉄汚泥の沈殿,再溶解を行わせる逐次回分式運転では電極への鉄汚泥の付着および付着した鉄の酸化物への変化によって,再利用時の電流効率が低下した。一方,電解槽と鉄汚泥生成沈殿槽を分離した場合,再利用時の電流効率低下は認められず,鉄汚泥の再利用が可能であることが示された。(2)過酸化水素と次亜塩素酸を用いた電解促進酸化処理 1,4-ジオキサンを処理対象として,薬剤を用いて過酸化水素と次亜塩素酸の反応効率を評価した。その結果,pH9付近で1,4-ジオキサンの分解量が最大となり,強アルカリ性では反応効率が大きく低下した。また,酸性条件でも若干の反応効率低下が認められた。これは過酸化水素と次亜塩素酸の存在形態のpH依存性により,説明可能であった。一方,過酸化水素の電解生成については,電流密度,pH,酸素の供給方法を検討し,低電流密度,酸性条件,気泡としての酸素供給が重要であることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

(1)鉄イオンと次亜塩素酸を用いた電解促進酸化処理 (a)処理プロセス最適化のための運転操作因子の検討については,各因子の最適化を行い,根底にある潜在因子を特定することができたことから,計画通りに進捗していると判断される。(b)鉄汚泥の再利用性の検討についても,鉄汚泥の再利用可能性を評価し,最適な再利用方法を提示できたことから,計画通りに進捗していると判断される。(2)過酸化水素と次亜塩素酸を用いた電解促進酸化処理 (c)反応条件の検討については,薬剤の供給方法やpHの影響を明らかにし,適切な条件を提示できたことから,計画通りに進捗していると判断される。(d)過酸化水素電解生成条件の検討については,長期運転による過酸化水素生成効率の安定性評価がまだ済んでいないものの,過酸化水素の電解生成に及ぼす因子(電流密度,pH,酸素供給方法)の評価は完了しており,ほぼ計画通りに進捗していると判断される。

Strategy for Future Research Activity

(1)鉄イオンと次亜塩素酸を用いた電解促進酸化処理 今後,処理対象となる実排水を想定し,鉄再利用を含むプロセスの構築とその機能評価を実施することが必要である。また,研究成果発表において,有害副生成物の生成を懸念する意見があったことから,処理プロセスにおける有害副生成物の生成特性評価も進めたいと考えている。平成24年度は,鉄再利用を含むプロセスを構築を進めつつ,有害副生成物の生成特性評価を行う。平成25年度は構築したプロセスに基づいて本電解促進酸化処理法の設計操作因子を検討,提示する。(2)過酸化水素と次亜塩素酸を用いた電解促進酸化処理 これまでに,反応条件および過酸化水素の生成条件を検討したが,過酸化水素と次亜塩素酸を同時に電解生成する電解促進酸化処理の実現性についてはまだ実証できていない。そのため,平成24年度は,実験用フローセルを製作し,本電解促進酸化処理法のコンセプト実証を行う。その結果を踏まえ,平成25年度にコンセプトに基づく処理プロセスを構築し,設計操作因子を検討,提示する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今後の研究の推進方策で示したように,平成24年度は鉄イオンと次亜塩素酸を用いた電解促進酸化処理のためのプロセスの構築,過酸化水素と次亜塩素酸を用いた電解促進酸化処理のコンセプト実証にための実験用フローセルの構築を行う。直接経費はこれらの装置製作と実験遂行に必要な分析試薬やガス等の消耗品類の購入に充てられる。また,研究成果発表のための旅費を計上している。本研究の遂行に当って,大学院生の補助をお願いする予定であり,彼らの学位論文に関係しない内容で補助をお願いする部分について謝金を支払うために,人件費・謝金を計上している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 過酸化水素の電解生成における影響因子の検討2012

    • Author(s)
      渡部宏典,岸本直之
    • Organizer
      日本水環境学会
    • Place of Presentation
      第46回日本水環境学会年会
    • Year and Date
      2012年3月14日
  • [Presentation] Fe2+/HOCl反応系を用いた電解フローセルの電解特性2012

    • Author(s)
      中村優,岸本直之,加藤昌明,大津秀緒
    • Organizer
      日本水環境学会
    • Place of Presentation
      第46回日本水環境学会年会
    • Year and Date
      2012年3月14日

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Published: 2013-07-10  

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