2012 Fiscal Year Research-status Report
光沢度計を用いたスケーリング評価に基づくコンクリートの凍害劣化診断・補修技術
Project/Area Number |
23560657
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷川 拓哉 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30360465)
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Keywords | コンクリート / 凍害 / スケーリング / 光沢度 / 診断 |
Research Abstract |
本研究は、コンクリートのスケーリングをはじめとする凍害劣化を対象として、光沢度計を用いた表面粗さ推定によるスケーリング量・深さの推定値から、凍害劣化の進行予測を行い、その劣化状況、適切な補修技術の選定を行う技術を開発することを目的としているものである。平成24年度では昨年度に引き続き、以下の検討を行った。 ・光沢度計を用いたスケーリング評価の試験方法に関する検討:平成24年度は、内部膨張劣化が先行的にまたは同時に生じた場合も含め検討することとし、空気量が少ない供試体を作製し試験を行った。あわせて、他の要因(荷重、乾湿繰返し、ASRなど)で先行的にひび割れが生じた場合についても検討を行った。内部膨張劣化が生じている場合、結果が大きくばらつくことから、次年度、メカニズムをあわせた考察が必要である。また、他要因で先行的にひび割れが入っている場合、凍害劣化を促進する場合と促進せず影響が小さい場合があり、こちらもメカニズムもあわせたより詳細な検討が必要である。また、実構造物に適用する場合、その時点でのスケーリング量を測定することは可能であるが、今後の予測に用いる場合、先行的に内部にひび割れが入っている場合とそうでない場合で異なるため、次年度はこれらの要因を含めて評価する必要がある。 ・各種補修工法を適用したコンクリート供試体の凍結融解試験・屋外暴露試験:代表的な補修工法を適用した試験体について、屋外暴露試験を行った。今後継続的に測定を行い、補修工法の影響について明らかとする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究担当者が、年度初めに入院したため、6ヶ月ほど十分な実験および論文作成ができなかった。このため、平成24年度に予定していた実験のうち、要因を分析するための実験が未了となっている。また、当初想定していた検証用の表面粗さの測定方法(レーザー変位計)では、十分に評価ができないことがわかり、新たに3Dスキャナを購入し、検証方法の再検討を行う。平成25年度は、年度当初にこれらの問題に関する実験を行うとともに、当初予定の実験を行い、最終的にとりまとめを行い、成果を論文等で公表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
・各種補修工法を適用したコンクリート供試体の凍結融解試験・屋外暴露試験:継続して、測定を行うとともに、その結果をふまえ、各種補修工法の補修効果の評価を行う。また、劣化状況などの各種条件に基づく適切な補修工法の選定手法を提案する。 ・各種環境条件とスケーリング劣化の関係の検討:昨年度未了分もあわせ、各種コンクリートに対し、実験計画法を用い、凍結融解時の最低温度、凍結融解時間、凍結持続時間、水分供給条件(気中凍結水中融解など)を因子に割り付けて凍結融解試験を行い要因の検討を行う。また、それらの結果をふまえ、各種コンクリートのスケーリング進行予測を提案する。 ・光沢度計を用いたスケーリング評価の実構造物への適用の検討:いくつかの代表的な実構造物を選定し、提案する手法を適用し、その有効性の検証を行う。 また、得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験用消耗品、実験補助などに用いるとともに、国際学会に発表するためその旅費に用いる予定。 なお、前述の通り、研究担当者の入院のため、24年度において、未実施の実験があり、その分の研究費が未使用となっている。それらについては、25年度において実施予定であり、研究費もそれにあてる予定である。
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