2011 Fiscal Year Research-status Report
3次元有限要素法による高強度RC柱・梁接合部の耐震性能評価法の開発
Project/Area Number |
23560662
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
柏崎 隆志 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40251178)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 建築構造・材料 / 防災 / 耐震 / コンクリート構造 |
Research Abstract |
近年、特に都市部を中心として40~50階建の超高層集合住宅が建設されているが、その多くは高強度コンクリートが使用された鉄筋コンクリート(RC)構造である。また、最近のRC構造設計の分野では、従来の許容応力度設計法から性能評価型設計法への移行が望まれている。これは、許容応力度設計法では不明確であった設計対象建物の耐震性能を明確にし、性能評価を的確に行うことを目標としている。 以上、高強度コンクリートの実用化、ならびに性能評価型設計法への移行にあたり、RC部材やRC建物の耐震性能を把握するための有効なアプローチとして、3次元有限要素法(3-D FEM)解析が注目されている。本研究では、高強度RC建物の3-D FEM解析のモデル開発と、さらにFEM解析を活用した性能評価型設計法の開発について検討を行うことを目的とする。 平成23年度は、高強度コンクリートを対象として3次元非線形FEMの解析モデルの開発を行った。特に、以下の構成則モデルは、高強度コンクリートを用いた部材の履歴特性や破壊性状に大きく影響を与えると考えられるので、重要である。 高強度コンクリートのFEM構成則モデルの開発:圧縮強度以降の脆性的な特性、ひび割れによる圧縮強度低下、平滑なひび割れ面形成によるせん断剛性の劣化、コンクリートと鉄筋の付着劣化、等に関するFEM構成則モデルの開発 また、高速な演算能力と大容量の記憶装置を有するPCワークステーションを導入して、解析的な研究を実施するための環境を整備した。特に、非線形3次元有限要素法解析では、大容量の入力データの処理、膨大な計算結果の処理などを合理化することが必要であり、入力データ作成や解析結果のデータ抽出、視覚化等のプレ・ポストプロセッサ処理も含めて、その計算環境の整備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、高強度コンクリートを対象として3次元非線形FEMの解析モデルの開発を行った。 また、高速な演算能力と大容量の記憶装置を有するPCワークステーションを導入して、解析的な研究を実施するための環境を整備した。 以上より、平成23年度の研究実施計画をほぼ完了することができ、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は、当初の研究計画に従い、おおむね順調に進めることができた。今後も当初の研究計画に従い、以下の研究を進める予定である。 前年度に開発した高強度コンクリートの構成則モデルの検証のため、RC柱・梁接合部を対象として3次元非線形FEM解析を行い、接合部の地震時挙動に影響を与える各種因子のパラメータ解析を実施する。FEM解析から得られる接合部周辺のコンクリートや鉄筋の応力やひずみ状況、ひび割れ等の損傷状況の詳細な考察から応力伝達機構を考察する。 構成則モデルをパラメータとした解析シミュレーションとモデル評価:普通強度材料と高強度材料の構成則モデルをパラメータとして、要素試験体や柱・梁接合部試験体、フレーム試験体の解析を実施し、構成則モデルの評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、当初の研究費の使用計画に従い、研究を進める予定である。
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