2011 Fiscal Year Research-status Report
竜巻状の回転流中における飛散物の運動に関する数値解析
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23560671
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸山 敬 京都大学, 防災研究所, 教授 (00190570)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 竜巻 / 回転流 / 飛散物 / 数値解析 |
Research Abstract |
平成24年度には、飛散物の飛散性状を検討するための竜巻状の回転流を計算により発生させるため、これまでに開発した計算プログラムを用いてテスト計算を行った。具体的には、計算領域の形状や流入境界面の風速分布等のパラメータを変化させて、種々の性質を持った竜巻状の回転流を発生させ、既存の観測例、実験結果、数値計算結果等と比較した。これにより、実際の竜巻中の気流性状と計算により発生させた竜巻状の回転流中の気流性状を比較検討し、作り出した回転流が実際の竜巻と同様の気流性状を持つことを確かめた。また、発生する渦の形態と計算条件の関係についても検討を行い、希望する気流性状を持った渦を発生させるための条件を抽出した。飛散物については、過去の竜巻被害調査資料および現地調査により、竜巻により飛散する可能性のある物体について、大きさや形状、放出条件、周囲の環境等の飛散条件を調べ、計算に必要となる飛散物の空力パラメータ等の各種計算条件についても過去の研究結果や、新たに試験計算を行って明らかにした。特に、過去の竜巻被害の状況をみると、飛散物の種類に関して、日本においては屋根ふき材である和瓦の飛散による被害が代表的であると考えられる。そこで、和瓦に関して模型を作製し、風洞実験等によりその空力特性(風速、風向角による抗力係数などの変化)を定量的に明らかにした。さらに、その結果を使って、気流中での飛散運動を追跡するためのプログラムを作成し、その性能および精度を、過去の研究や実験結果と比較しながら評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値計算に関してはプログラムの調整に手間取り,計算開始が少し遅れたので,予定の事例数を達成していない。そのため,解析のために必要となる人件費・謝金等が消化できず,また,物品の購入時期がずれ込み,予定していた物品の購入を一部延期した。その他の点に関しては,ほぼ当初の計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
事例解析のスピードを速め,当初の予定の解析数を至急に済ませ,申請時の予定に沿ったスケジュールに戻す。そして,平成23年度の結果を踏まえ、飛散物の計算に必要となる各種条件(例えば、最大風速半径の違い、移動速度の違い、地表面粗度の違い、周囲の地形の違い)を実際の竜巻の強さや被害程度と比較しながら整理する。一方、飛散物に関しても、一様流などの単純な流れ場に置いて飛散計算を行い、過去の対応する観測、実験結果等と比較して、計算手法の妥当性の検証を行う。次に、竜巻状の回転流中で飛散物を種々の条件で放出し、飛散経路、速度変化等の運動性状を明らかにする。また、その際の竜巻の性状(竜巻の大きさ、強さ、渦内の構造)との関連を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度購入予定で,未購入品については,関連の計算・解析が終わった段階で,至急購入する。数値計算に関しては、計算負荷が大きくなると予想されるため、引き続き大容量の高速計算機を借用して計算を行うか、計算を委託する。計算結果は可視化ソフトを用いて編集、整理し、解析を行う。
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Research Products
(1 results)