2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560675
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
村上 聖 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (80182088)
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Keywords | 耐爆補強 / 鉄筋コンクリート部材 / 接触爆発試験 / 繊維補強コンクリート / 連続繊維補強材 / 連続繊維シート / 修正換算コンクリート厚さ / シート破断エネルギー |
Research Abstract |
本研究は、高靱性繊維補強コンクリートを用いた各種構造版の耐爆性能ならびに連続繊維補強材による既存RC版の耐爆補強効果に関して接触爆発試験を実施し、その結果に基づいて爆発荷重に対する損傷低減効果に優れたRC部材の開発を行うことを目的にしている。 平成23年度では、過去に実施したポリエチレン繊維補強コンクリート(PEFRC)を用いた各種構造版について有限要素解析を実施し、実験結果との比較からその耐爆補強メカニズムについて解析的検討を行った。その結果として、PEFRCプレキャスト薄板を用いた中空層付き2層構造版は同厚の単版よりも良好な耐爆性能が得られ、その要因が、PEFRCの場合は繊維の架橋作用により爆発面側の上版裏面のスポール片の減速効果が下版裏面のスポール抑制に非常に効果があることを解析的に明らかにした。 平成24年度では、PEFRCを用いた各種構造版ならびに連続繊維補強材を用いたRC版の耐爆補強効果について実験的検討を行った。その結果として、前者については、中空層を設けることが耐爆性能の向上に有効であることを明らかにし、迅速施工化を目的に空洞付きプレキャストブロック版を開発した。後者については、スポール面でのコンクリートの飛散片を捕縛できる補強形態が有効であり、その中で連続繊維シートの接着補強においてシートの破断エネルギーによりスポール発生限界を定量化できる可能性を明らかにした。 最終年度の平成25年度では、連続繊維シート接着補強RC版の耐爆補強効果について実験および解析的検討を行い、シート破断エネルギーをパラメータとする有限要素解析によるパラメトリックスタディに基づいて実験結果を再現できる可能性を示すとともに、シート破断エネルギーと修正換算コンクリート厚さの関係上でシート破断によるスポール発生限界を定量化し、耐爆補強設計の可能性を明らかにした。
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