2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560681
|
Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
西村 功 東京都市大学, 工学部, 教授 (60328929)
|
Keywords | 免震構造 / 非線形座屈 / 耐震構造 / 積層ゴム |
Research Abstract |
本研究課題は、建築構造物の一部分に分散配置した積層ゴム支承を配置することによって、免震構造に特有の地下ピットを作ることなく、高い減衰性能と比較的長周期の建物固有周期を実現する方法を検討したものである。解析検討を行い、超高層建物の場合はせん断剛性を低減するかわりに、曲げ剛性を低減することによって建物固有周期を長くして、層間に設置する減衰装置の性能を向上させることが可能となった。 さらに、幾何学的非線形を考慮した積層ゴムの座屈モデルと、材料非線形を有する積層ゴムの座屈モデルについて考察を行い、統一的な非線形座屈モデルを考察するに至った。現在、材料非線形と幾何学非線形を同時に考慮した統一モデルの検討を行っている。この新しいモデルを用いて、部分免震構造に必要な積層ゴム支承の性能を満足する部材を検討した。 以上、2つの解析検討の結果得られた新型積層ゴム支承に必要な性能は、従来の積層ゴムの形状とは大きく異なる。そのため、実験による性能の把握と確認が必要となる。現在、非線形座屈モデルに材料非線形と幾何学非線形を同時に考慮したモデルを用いた場合のモデル化について論文をまとめている。 研究の結果、部分免震構造の実現には、曲げ剛性の小さい積層ゴム支承を実現する必要のあることが判明した。現在、実験研究により、部分免震構造を実現できる曲げ剛性の小さい積層ゴムの性能確認を行っている。また、論文による公表に先立ち、特許出願のための準備を行っている。 今後は、このモデルに基づいた積層ゴム支承を実現し、性能確認実験を行う予定である。
|
Research Products
(4 results)