2012 Fiscal Year Research-status Report
RC部材とS部材で構成される接合部の孔あき鋼板ジベルによる性能改善
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23560684
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西村 泰志 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10102998)
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Keywords | S部材 / RC部材 / 柱梁接合部 / 孔あき鋼板ジベル / 支圧性能 / 応力伝達機構 / 抵抗機構 / 耐力評価法 |
Research Abstract |
平成24年度は,S部材とRC部材で構成される接合部に関して,S部材フランジ上下面に設けられた水平型孔あき鋼板ジベルが,接合部の支圧破壊性能の改善にどのように寄与するかを実験的および理論的に検討した。 実験的検討では,柱RC・はりSとする十字形部分骨組を4体作製した。梁長さは4,000mm,柱長さは2,000mmである。柱断面は350×350mmで,D19の異形鉄筋が柱の4隅に3本ずつ計12本配置されている。せん断補強筋はD10が50mm間隔で配筋されている。梁断面の公称寸法はBH-300×125×9×25である。柱梁接合部のせん断破壊が柱および梁部材の破壊に先行しないように,柱梁接合部の鉄骨ウェブ厚は16mmとした。支圧板厚は12mmである。S部材フランジ上下面に設けられた水平型孔あき鋼板ジベルは厚さ12mmの鋼板に50φの円孔が2個設けられている。実験変数は,柱梁接合部のせん断補強筋比 ( 0.183%,0.833%) と円孔に設置される挿入筋 ( D13 ) の有無である。実験は柱部材に一定軸力を負荷した後,梁両端部に逆対称正負漸増繰り返し荷重を載荷した。 実験結果から,孔あき鋼板ジベルを設けることで最大耐力発揮後の支圧破壊を抑制できること,挿入筋を取り付けることによって最大耐力以降,耐力低下のない安定した履歴性状を有すること,また,孔あき鋼板ジベルに充填されたコンクリートの2面せん断強度は,コンクリート圧縮強度の0.8倍,挿入筋の2面せん断強度は挿入筋のせん断強度の1.34倍程度であることを示した。 理論的検討では,著者らが提案した鉄骨フランジ幅より内側の内部パネルと鉄骨フランジ幅より外側の外部パネルとの間のねじり耐力と外部パネルのアーチおよびトラス機構に基づく支圧耐力評価法に水平型孔あき鋼板ジベルの効果を加味することによって,実験値をほぼ評価できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は,S部材とRC部材で構成される十字形柱梁接合部に関して,S部材フランジ上下面に設けられた水平型孔あき鋼板ジベルが,柱梁接合部の支圧破壊性能の改善にどのように寄与するかを実験的に検討し,柱梁接合部のせん断補強筋比が小さい場合は孔あき鋼板ジベルは耐力に大きな影響を与えないが,孔あき鋼板ジベルに充填されるコンクリートの2面せん断強度は,コンクリート圧縮強度の0.8倍,挿入筋の2面せん断強度は挿入筋のせん断強度の1.34倍程度であること等の客観的な基礎データを収集した。また,理論的な検討として,著者らが提案した鉄骨フランジ幅より内側の内部パネルと鉄骨フランジ幅より外側の外部パネルとの間のねじり耐力と外部パネルのアーチおよびトラス機構に基づく支圧耐力評価法に水平型孔あき鋼板ジベルの効果を加味することによって,実験値をほぼ評価できることを示した。 平成23年度の切替え部,平成24年度の柱梁接合部の実験および理論的検討によって,当初の目的である孔あき鋼板ジベルを有する接合部の簡便な設計式の構築のめどがつけられたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,S部材とRC部材で構成される柱梁接合部に関して,側柱および隅柱最上階のTおよびL字形部分骨組を対象とした2体の試験体について追加実験を実施する。これらの追加実験によって,平成24年度に実施した十字形部分骨組の研究と合わせ,建築物に想定される全ての接合部を網羅することになる。平成25年度に計画される試験体の柱,梁断面および孔あき鋼板ジベルの寸法等は平成24年度に実施したものと同じとする。 更に,最終年度の平成25年度は,平成23年度に実施した鉄骨フランジに円孔を有する切替え部,平成24年度の孔あき鋼板ジベルを有する十字形柱梁接合部および平成25年度のLおよびT字形柱梁接合部の追加実験の研究結果に基づいて,簡便な耐力設計式を提案する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当機関の八幡工学実験場・構造実験センターには,大規模な反力壁・反力床,反力フレームが設置されている。また,同センターには,実験に必要な測定機器,各種容量の油圧ジャッキ,油圧ポンプユニット等が完備されている。 したがって,申請経費の大半は,追加実験の試験体製作費 ( 電気抵抗線ひずみゲージを含む ),実験データ保存のための消耗品費 ( USBメモリーデータスティク等 ),実験・実験データ解析補助者への謝金および載荷装置の組み立て等の費用である。なお,次年度使用額が生じたが,この追加実験を想定していたためである。また,その他として,報告書の印刷費ならびに製本費を計上した。
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Research Products
(2 results)