2013 Fiscal Year Annual Research Report
RC部材とS部材で構成される接合部の孔あき鋼板ジベルによる性能改善
Project/Area Number |
23560684
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西村 泰志 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10102998)
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Keywords | 柱RC・梁S / 支圧破壊性状 / 孔あき鋼板ジベル / 履歴性状 / 応力伝達機構 / 抵抗機構 / 耐力評価法 |
Research Abstract |
平成25年度は,柱RC・梁 Sとする梁貫通形式T字形柱梁接合部の支圧破壊性状を改善するために,孔あき鋼板ジベル (PBL) を梁 Sフランジ下面に取り付けたディテールについて実験的および理論的検討を行った. 実験的検討では,3体の試験体を計画した.計画された試験体は,PBLが取り付けられていない試験体,PBLを取り付けた試験体およびPBLの円孔に挿入筋を有する試験体である.柱の配筋詳細,梁鉄骨断面および接合部詳細は各試験体とも同じであり,梁に交換可能な補助ビームを取り付けることによって,所定の寸法になるようにしている.柱断面は350×350mm,S梁の公称寸法はBH-300×125×9×19である.PBLは板厚12mm, 孔径50φ,孔間隔75mmである.試験体の形状を除いて,平成24年度に実施した十字形試験体と同じである.実験結果から,PBLを取付けることによって,初期剛性および最大耐力が増大しかつすべりを伴う履歴性状が改善されること,PBLのコンクリートの二面せん断強度は,コンクリート圧縮強度の0.66倍となることが示されている.この値は,前年度の十字形試験体の結果よりも小さい.これは,十字形試験体は,Sフランジ上下面にPBLが取り付けられており,圧縮側のPBLの効果が含まれる為と考えられる.一方,挿入筋の二面せん断強度は,鉄筋の降伏せん断強度の1.25倍となる. 理論的検討では,研究代表者らが提案したT字形柱梁接合部の支圧耐力式にPBLの効果を付加した耐力評価式が提案され,実験結果を大概評価できることを示している. 平成23年度~平成25年度の研究によって,PBLを用いたRC部材とS部材で構成される切替え部および柱梁接合部のS部材からRC部材への応力伝達機構に基づく耐力評価法が示され,設計式の構築が試みられた.この妥当性については,今後更に詳細な検討が必要である.
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