2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560691
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Research Institution | Takenaka Corporation, Takenaka Research and Development Institute |
Principal Investigator |
中村 尚弘 株式会社竹中工務店 技術研究所, その他部局等, 研究員 (50416640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 琢也 株式会社竹中工務店 技術研究所, その他部局等, 研究員 (00470310)
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Keywords | 建築構造・材料 / 時刻歴応答 / 減衰モデル / 振動数依存性 / 有限要素法 / Rayleigh減衰 / 因果的履歴減衰 |
Research Abstract |
建物の地震応答解析などの動的解析において,減衰モデルの適切な選定は重要な課題である。一般に材料の減衰定数(h)は,振動数に対しほぼ一定であることが知られている。しかし現時点で,大規模なFEMモデルの時刻歴解析に対して,この性状を高精度に表せる減衰モデルは無く,課題となっている。本研究者はこれまで振動数依存性の強い関数を時間用領域に変換する方法を検討し,この方法を応用して,高精度かつ実用性の高い減衰モデル(因果的履歴減衰モデル)を提案し,線形および非線形問題への有効性を確認した。本研究はこのモデルの改良と最適化を図るとともに,これを質量比例型減衰モデルと組合せさらに有効性の高い新たなモデル(修正Rayleigh減衰モデル)を提案するものである。 平成25年度は,前年度に検討した修正Rayleigh減衰モデルを高度化し実用性を高めた。まず、質量比例型減衰モデルと組み合わせた場合に最適となる因果減衰モデルとして、2項モデルを提案した。これを用いることにより、以下の大きな改善効果が得られた。 ①計算の効率化:修正Rayleigh減衰モデルの計算では、通常のRayleigh減衰モデルの計算に加えて、過去の変位の係数和を用いる。昨年までの検討では、過去の9点の変位を必要としたが、これが2点に低減され、計算の負荷も通常のRayleigh減衰モデルに近いものとなった。 ②精度の大幅な向上:指標としている安定振動数域(hが目標に対して一定誤差内に収まる振動数の範囲。最小振動数に対する最大振動数の比で表す)では、Rayleigh減衰モデルの5倍以上の拡大となった。例えばh=3%を目標とする場合、1.5Hzから21Hzまでが許容誤差5%以内(すなわちh=2.85~3.15%の範囲内)で計算できる。 このようなモデルは前例がなく、各種の動的解析に極めて有効性が高いことを確認した。
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