• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Research-status Report

古墳壁画の保存・公開における環境制御手法に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23560694
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

小椋 大輔  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60283868)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鉾井 修一  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80111938)
安福 勝  近畿大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20581739)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords古墳壁画 / 保存 / 公開 / 温湿度 / 劣化 / 塩析出 / 見え方
Research Abstract

本研究の目的は、装飾古墳の石室内壁画の保存と公開を考慮した環境制御手法の提案を行うことである。石室内の石材表面に顔料や線刻で描かれた壁画を有する装飾古墳は国内に約600基存在し、石室内環境を考慮した保存・公開の考え方は充分明確になっていない。石室内外の温湿度・空気質環境は、壁画の保存やその見え方、入室者の安全性・健康性に大きな影響を与える。古墳石室内へ最も影響が大きいと考えられる入室を行って見学を行う状況を考慮して、石室内の温湿度・空気質の現地調査による実態把握と、壁画や石材などの保存と見学者の安全性・健康性の観点から、古墳の保存施設と入室管理による環境制御手法の構築を行う。平成23年度は、壁画の濡れと見え方の変化、劣化現象の一つである塩析出と材料の関係について基礎的な検討を行った。 壁画を模擬した顔料を塗った試験体を用いて、異なる湿潤状態(含水量)に対してL*a*b*値と分光反射率の性状を検討した。次に、含水率の変化から色の変化を推定する正反射と拡散反射成分を考慮した簡易予測モデルを作成し、実験データを用いて比較検討を行った。得られた主な結果は、以下の通り。1)実験結果より顔料が濡れると暗くなり(L*値が減少)、色が鮮やかに見える(a*値、b*値が増加)ことを確認した。2)SCI方式とSCE方式の測定結果を利用した、濡れ方の簡易予測モデルを作成した。3)簡易予測モデルを用いて含水量変化による分光反射率の変化を大略予測することが出来た。 塩が平衡含水率に及ぼす影響のメカニズムを解明することを目的として、塩を含んだ軽量気泡コンクリートの平衡含水率を測定し、塩の析出量を考慮した平衡含水率の近似モデルを作成し、モデルの妥当性の検討を行った。その結果、塩濃度が飽和溶解度を超える場合、その度合いに応じたモデルの修正を行うことで、より良く実験結果を再現できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成24年度の実施を予定していた、壁画の見え方のモデル化、塩析出のモデルについては、順調に進んでいるが、平成23年度の実施を予定していた現地の古墳内の環境、壁画の見え方、劣化状態の調査が現地協力者との調整が十分できず進んでいない。今年度は調査の実施を早急に進める。

Strategy for Future Research Activity

現地における古墳内の環境、壁画の見え方、劣化状態の調査の実施を最優先課題として進める。また壁画の見え方、塩析出について、実験室実験に加え、現地調査結果の検討を進めモデルへその結果を反映させる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

1.石室内の温湿度、空気質、壁画の見え方の調査:装飾古墳を対象として、保存・公開の方法の異なる装飾古墳について温湿度環境・空気質(O2,CO2)環境・壁画の見え方に関する年間計測と分析を行う。周辺環境との関係を明らかにするために気象観測装置を設置する。2.壁画石材等の塩類析出等劣化の状況調査と原因分析:石室内の石材等の塩類析出などの劣化状況調査を行い、石室内温湿度分布との相関関係などからその原因の分析を行う。3.石室内の植物根、微生物の成育状況の調査と温湿度、空気質の分析:石室内の植物根や、微生物の成育状況の調査を行い、温湿度や、O2,CO2濃度の変動との相関を検討する。4.石材表面の含水状態から色を予測するモデルの構築:壁画の見え方と水分量の年間計測値の調査結果を用いて、石材表面の含水状態と色の関係の予測モデルを構築する。5.壁画石材等の塩類析出モデルの構築:石室内の石材等の塩類析出の予測モデルを作成し、調査結果との比較を行う。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 闘鶏山古墳の石槨内部発掘調査に伴う空調制御方法に関する研究 その2 石槨内空気質の予測法の提案2011

    • Author(s)
      木村奈津子、小椋大輔、鉾井修一
    • Organizer
      日本建築学会大会学術講演会
    • Place of Presentation
      早稲田大学
    • Year and Date
      2011年8月25日
  • [Presentation] 闘鶏山古墳の石槨内部発掘調査に伴う空調制御方法に関する研究 (その2) 石槨内空気質の予測法の提案2011

    • Author(s)
      木村奈津子、小椋大輔、鉾井修一
    • Organizer
      日本建築学会近畿支部研究発表会
    • Place of Presentation
      大阪工業技術専門学校
    • Year and Date
      2011年6月19日
  • [Presentation] 闘鶏山古墳の石槨内部発掘調査時における石槨内温湿度・空気質の制御方法の検討 -石槨内空気質予測方法の提案-予測法の提案2011

    • Author(s)
      小椋大輔、鉾井修一、木村奈津子
    • Organizer
      日本文化財科学会第28回大会
    • Place of Presentation
      筑波大学
    • Year and Date
      2011年6月11日

URL: 

Published: 2013-07-10  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi