2013 Fiscal Year Annual Research Report
交差遅れ効果モデルによる住宅・地域環境の健康形成要因構造の解明
Project/Area Number |
23560699
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
白石 靖幸 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (50302633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊香賀 俊治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30302631)
星 旦二 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (00190190)
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Keywords | アンケート調査 / 共分散構造分析 / 時間先行性 / 交差遅れ効果モデル / 同時効果モデル |
Research Abstract |
先行調査として、2009年に北九州市八枝地区などを対象としたアンケート調査を実施し、健康形成要因構造モデルの構築によって、住宅・地域環境が階層的に住民の健康状態に寄与することが確認された。これを踏まえ、2011年度は1回目の追跡調査、2013年度は更に2回目の追跡調査を行った。今年度は、これら3時点の縦断データを用いて、因果モデルである交差遅れ効果モデルと同時効果モデルを再構築し、住宅・地域環境が居住者の健康状態に及ぼす因果効果について、時間的先行性の観点から詳細な分析を行った。以下に得られた知見及び今後の課題を示す。 1)「近所付き合い」や「地域活動」から成る「社会支援環境」が「精神的健康」に正の因果効果を有する。これは、2009年の良好な社会支援環境が、2011年の精神的健康を向上させる可能性を示唆する。 2)「室内住環境」から「身体的健康」に、負の因果効果が確認された。これは、2009年の良好な室内環境が、2011年の身体的健康を阻害する可能性を示唆する。この点は、既往研究と反する結果ではあるが、追跡調査時のサンプリングバイアス等の影響によるものと推察される。 3)以上より、少ないサンプル数且つ属性調整が為されていないという条件付きではあるが、時間的先行性を考慮に入れた一定の因果関係を確認することができた。 4)追跡調査時のサンプリングバイアスにより、結果の解釈には留意が必要なことから、経年期間の拡張やサンプルの拡充等を踏まえた更なる追加検証が今後の検討課題である。
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Research Products
(2 results)