2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560713
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齋藤 雪彦 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (80334481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎野 亜紀夫 北海道科学大学, 空間創造学部, 准教授 (00364240)
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Keywords | 社会的孤立 / コミュニケーション / コミュニティ / 余暇活動 / 地域のつながり / 生活の個人化 / レクレーション / ストレス |
Research Abstract |
昨年度までは、都市近郊地域、中山間地域、都市的地域の勤労者の余暇と孤立の状況を分析し、比較研究を行った。しかし、今年度から被災地における本テーマの展開を調査することとした。つまり、仮設住宅においても、農村勤労者の社会的孤立と居場所づくりは極めて重要な課題であり、一般地区以上に深刻な形で課題が析出していると考えたからである。具体的には、仮設住宅(大船渡市平林仮設団地)にてヒアリング調査を実施し、社会的孤立とコミュニケーションの課題を整理した。その結果、仕事、体の健康、心の健康、余暇、移動手段等の事情により、社会的孤立に関わる諸相が説明できた。また同時にその孤立度の差異が顕著に観察できた。また、①仮設住宅と旧集落との物理的距離、②仮設住宅の構造(客間等がない)、③被災者と非被災者の環境条件のギャップによる意識の差がコミュニケーションの阻害要因となり孤立を生んでいた。また仮設住宅における各種支援団体による活動は、必ずしも孤立の解消につながっていないことも明らかにできた。 さらに、復興まちづくりにも参与する中で、復興まちづくりはどちらかというと合意形成に力点がおかれ、こうした孤立等の生活格差に関する課題への目配りが足りないことも指摘できた。今後は復興まちづくりの中で、参与観察的にこうした孤立等の解消を行っていきたい。 日本建築学会等での発表、農村計画学会誌等への寄稿は今年度行ったが、学術論文の投稿は次年度に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学会等で発表したところ、コミュニケーションの原論という点で、海外事例との比較が必要ではないかとの指摘があり、海外調査における追加調査を行うため、研究期間の延長申請を行った。本来の研究計画の進捗としては順調に推移しており、学術論文についても次年度に投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
イギリス・スコットランド島嶼部地域は、比較的土着的コミュニティが残存しており、東アジアとの共通性もありながら、日本のように近代化による変容も経験しているという点で比較対象として適切であると思われる。同時にNPO等昼間支援組織の活動が活発であり、孤立対策の先進地でもある英国において調査をすることは我が国の社会的孤立を考える上で意義があると考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本来の研究計画が順調に推移し、ヒアリング調査等の日数は当初予定より少なく済んだ。一方、本テーマについて学会等で発表したところ、コミュニケーションの原論という点で、海外事例との比較が必要ではないかとの指摘があり、海外調査における追加調査を行うため、次年度の研究期間の延長申請を行った。 イギリス・スコットランド島嶼部地域において、農村勤労者のコミュニケーションの実態および孤立対策をヒアリング調査等により明らかにしたい。具体的には1週間程度の調査を2回に分けて個別農家への訪問調査を予定しており、次年度使用額は、現地に行くための航空運賃、並びに現地調査に必要なレンタカー代、ガソリン代及び宿泊代に充当したい。
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Research Products
(2 results)