2012 Fiscal Year Research-status Report
地方都市における在宅医療を含めた在宅ケアシステムの構築を通したまちづくり
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23560716
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 哲夫 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任教授 (30517206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 雄一 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任研究員 (70571694)
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Keywords | 都市・地域計画 / 在宅医療 / 地域包括ケア / 普及ケア |
Research Abstract |
本研究は、典型的な地方都市として福井県坂井地区(あわら市、坂井市にまたがる地域)をフィールドに、超高齢社会対応の在宅医療を含めた在宅ケアシステム導入と共に、在宅医療・介護をスムーズに受け入れるための住まいや移動を含めた超高齢社会対応まちづくりを推進していくことを目的としている。昨年度の実績から、この地域では医師会による在宅医療に対する取り組みがあったがその利用が進んでいない実態がありその理由として、住民側にこの取り組み自体の認知度が低いこと、加えてそもそも在宅における療養生活のライフスタイルが定着していないことが大きな要因として挙げられていた。これを受けて、在宅医療を根付かせるために、在宅医療連携拠点事業も生かしながら介護保険者(行政)が中心となる在宅ケア体制の構築(医療・介護事業者、大学による)を進めており、次の二点がポイントである。 ①介護保険者(行政)が坂井地区医師会のノウハウを活用し、医療も含めた在宅サービスをワンストップで調整 ②坂井地区のすべての医療・介護事業者が参画 他方、まちづくりを進める上で重要度の高い住民への啓発活動を並行して展開する形で進めているが、これは地域の在宅ケア状況や市町単位の医療・介護データの分析にもとづく健康づくり活動の紹介、在宅ケアに関する不安の解消など、住民が在宅ケアについて自発的に学び・理解を深める普及啓発活動を推進する。これをきっかけに家族、コミュニティで対話をすることが重要なので、継続して住民が自主的に自分の自治会という小単位でも集会を開催できるように支援ツール(DVD、パンフレット等)や担い手の発掘をしつつ、開催時間や登壇者に様々なバリエーションをもたせ汎用性を高めることも念頭に他地域でも活用できるものを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の活動で構築してきた活動基盤を生かしながら、H25年度までの合計三年間で県・市連携の下、坂井地区における医療関係者(医師・歯科医師・薬剤師・看護師等)、及び介護関係者(介護サービス事業者・ケアマネジャー・社会福祉協議会・地域包括支援センター等)と共同で、在宅医療を含めた在宅ケアシステムの導入を図ることを予定していたが、在宅医療推進、体制構築、住民啓発などを柱に活動を進めてきた。今年度の活動として、在宅医療推進においては坂井地区医師会によって「坂井地区在宅医療連携コーディネート事業」が開始され、在宅医療コーディネーター1名(介護支援専門員の資格を持つ看護師)を配置して、次の事業を実施した。 (1)在宅主治医・副主治医、専門医、歯科医、薬剤師等の登録・紹介 (2)地域住民および医療機関、地域包括支援センター等関係機関からの相談対応業務 (3)在宅医療関係機関相互の連携強化・技能向上に資する研修の企画・実施 (4)地域ケア体制の整備にむけ、介護と医療のスムーズな連携および情報、共有のあり方等、地域包括ケアシステムの推進に関する業務 (5)その他必要な業務 また、他職種連携においては、「第1回顔の見える多職種連携カンファレンス」を実施し、155名(3圏域×6グループ)の医師、歯科医師、看護師、ケアマネ等の参加を得た。 住民啓発においては、公民館などで行われる高齢者サロンや、まちづくり協議会の地域行事、民生委員、福祉委員研修会等に在宅ケア出前講座を実施し、在宅医療への安心感、イメージを伝達してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで各論単位で構成する委員会方式で活動を展開し、その統括は統括委員会を組織することで対応してきたが、試行の本格化に伴い「坂井地区在宅ケア将来モデル推進協議会」で方向性を固めながら進めていくこととする。その中で、これまでの活動を踏まえて、体制整備や普及啓発においては以下内容については拡充、新規追加をしながらの展開を進める。 〔体制整備〕 (拡充)地域包括支援センター単位で多職種が一堂に会する場づくり (拡充)坂井地区全域の医療機関・介護事業所によるITシステムの運用 (新規)若手の在宅医を育成していくための同行訪問研修の実施 (新規)地域住民が協力し合い、介護で困った時に助け合う地域づくり 〔普及啓発〕 (拡充)新たな普及啓発用ツール(DVD)開発と地域住民のニーズに応じた住民向け普及啓発講習会
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、本研究含め地元の在宅医療推進を加速するため、坂井地区広域連合において厚生労働省老健局の在宅医療拠点整備事業が採択された。福井県庁においても充当される予算がついたため、啓発ツール作成等予定していたものがそちらでも工面された。これらは更に継続される見通しもあることから、本研究推進の中で試行段階まで進んできた坂井地区における在宅ケア体制づくりの本格実施に向けた旅費に重点的に活用することを予定している。
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Research Products
(11 results)