2013 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的家屋の継承促進のための空き家バンクシステムの実態と課題に関する研究
Project/Area Number |
23560721
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 史彦 金沢大学, 環境デザイン学系, 講師 (70293371)
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Keywords | 歴史的家屋 / 空き家バンク / 町家バンク / オープンハウスイベント |
Research Abstract |
WEB検索で把握した454の空き家バンクへのアンケート調査により回答を得た296のバンクについて以下の知見を得た。行政のみによる運営が93%と多い。歴史的家屋が主対象のバンクは8%と少ないが、取扱実績ありは83%と多く、主対象でない場合も歴史的家屋への入居希望者からの問合せが少なくない。バンクを構成する物件収集、マッチング、入居後支援の3つのサブシステムに着目すると、取組バランスがよいものは8%と少なく、1つに偏るものが44%、1つも充実していないものが24%と多い。運営主体が行政のみの場合はその傾向が強く、行政とその他が連携するバンクはバランスがよい。 奈良県下各地で町家バンク事業に取組む団体で構成し、ノウハウ共有、共同的情報発信に取組む先進事例として大和町家バンクネットワークを取上げ、事務局と全構成団体へのヒヤリング調査からその成立条件、運用実態を明らかにした。成立条件としては、中間支援機能を担う奈良まちづくりセンターを核に各団体を緩やかに結ぶ大和まちづくりネットワークが先行的に機能していたこと、構成団体の中に今井町地区などの先進事例が含まれ、ノウハウを提示し後発地区をリードしたことがあった。運用実態は地区によりバンクの準備段階に差があったが、ネットワークの支援プログラムにより、後発地区も短期間にバンクを開設し得ていた。後発地区の共通課題に掲載物件不足がある。 歴史的家屋継承促進と空き家解消における歴史的家屋の一斉公開イベントの開催効果について、金沢市の町家巡遊を対象に明らかにした。専門家と入居希望者の接点になっていること、公開家屋や隣接する町家、空き町家所有者に町家への需要周知機会となり、公開された空き町家の利活用への展開実績があること、企画・運営を通じて町家の継承・流通促進に関わる専門家ネットワークが形成効果があることが明らかとなった。
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