2013 Fiscal Year Annual Research Report
総合的計画管理のための景観-環境系アプローチによる空間計画の課題分析
Project/Area Number |
23560724
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小浦 久子 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30243174)
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Keywords | 景観 / 開発マネジメント / 土地利用 / ランドスケープ |
Research Abstract |
EUの空間計画制度の検討と展開において中心的役割を担ってきたデルフト大のファルディ教授へのヒアリング調査および文献資料の分析にもとづき、EUにおける空間計画の変遷を整理した。また、日本の既成市街地との比較を考慮し、拡散型の土地利用を示すドイツのルール地方を対象とし、リージョナル・プランの考え方とその開発管理における役割について現地調査を行った。 この調査から、ランドスケープの概念は、地域の地形風土や植生の特性を分析し、土地利用や開発動向のインパクトをオープンスペースの変動としてとらえ、包括的な空間計画の基本フレームとなる概念であることがわかった。ルール地域は2009年度より計画権限をもつ地域共同体として地域計画の策定を進めており、その中でリージョンレベルでの空間フレームと土地利用の変化に対するガイドラインを提示することによる計画管理が検討されており、ランドスケープは主要な計画課題となっていた。 本研究では、持続可能な地域構造となるよう市街地更新をマネジメントするしくみが必要であるという問題意識から、景観-環境系のアプローチによる計画制度の検討を目標とした。これまでの調査分析より、景観計画は自治体レベルで包括的に空間計画を示すことができる制度であり、地方都市において開発マネジメントにつながる取り組みがあること、他制度との組み合わせにより開発管理を試みている事例があることがわかった。また、英国の計画許可にもとづくデザイン協議よりも、ドイツのリージョンレベルの空間計画におけるランドスケープからの開発管理の考え方のほうが、日本型の開発管理のしくみに関する今後の検討に示唆するところが多い。 景観計画の開発マネジメント型運用の可能性を拡大する方向で、ルール地方におけるランドスケープの考え方のようなリージョナルレベルの空間フレームを提示する計画手法が次の計画課題となる。
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Research Products
(6 results)