2012 Fiscal Year Research-status Report
視覚能力レベルに応じた「迷い点」による空間の分かりやすさ評価ー居住福祉施設の場合
Project/Area Number |
23560732
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森 一彦 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (40190988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 英樹 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (90277830)
戒田 真由美 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70336767)
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Keywords | 国際研究者交流 オーストラリア |
Research Abstract |
全国の有料老人福祉施設に出向き、共用空間の実態調査を実施した。具体的には、共用空間が豊かな代表的な施設5施設をピックアップし、そこでの共用空間の活用状況および、平面構成、広さ、家具配置、色彩計画など空間の分かりやすさに関わる物的要素について詳細に記録した。それと平行して、施設管理者に対して運営方針や運営状況などについてヒアリング調査を実施した。施設の居住者に対する調査については、居住者のプライバシーの問題、運鋭意管理上の問題から、今年度は協力を得ることができなかったため、実施しなかった。その代わりとしてCG空間による検証を検討することとした。 実態調査から得られた主な知見を列記する。 (1)共用空間は施設の管理方針によって、その状況が異なる。(2)有用老人の住居型老人ホームと介護型有料老人ホームとでは、共用空間をことなって整備する例が多かった。(3)とくに住居型有料老人ホームの共用空間が多様で豊かな例が多かったもの、介護型有料老人ホームでも広い共用空間の中に多様な家具配置や多彩なインテリア計画がなされたケースもあった。(4)共用空間の機能として、共用のホール、食堂、レクリエーション室、家族室など多様な工夫が凝らされていた。(5)その中でも、廊下の広さに変化をつけたアルコーブや談話コーナーなど、気軽に立ち寄れる場の工夫が多くの施設でなされていた。(6)一方で、廊下の長さやアルコーブの配置方法など施設によってまちまちで、一定の基準やルールに基づくものでなく、それぞれの施設での考えやアイデアに基づくものであり、それぞれの効果や有効性について研究的な検討を必要としていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
有料老人ホームを調査対象とするため、居住者に対するプライバシーの尊重が求められており、結果として調査上の制約があった。居住者への直接ヒアリングや行動観察調査は今年度見送られた。調査結果を精査の上、調査対象施設を絞って居住者調査を行うか、CGを活用した疑似空間上でシミュレーションを行うかなど、検討課題をのこしている。
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Strategy for Future Research Activity |
空間の分かりやすさを評価する上での迷い点の特定方法を検討して、実際の施設上での推定と検証を行うことが今後の研究課題である。具体的には、調査した施設の空間情報、運営情報を総合的に分析し、それぞれの施設の課題や特徴、改善策などを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(7 results)