2011 Fiscal Year Research-status Report
環境配慮・長期利用型建築物の普及のための資産価値評価に関する研究
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23560735
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
中城 康彦 明海大学, 不動産学部, 教授 (30286009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 広子 明海大学, 不動産学部, 教授 (10257529)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 環境配慮 / 長期利用 / 不動産鑑定評価 / 不動産経営 / 不動産管理 / 長期修繕計画 |
Research Abstract |
本研究では、不動産資産を形成する要因のうち、建築物・環境・管理など、土地に劣後してきた要素について、より積極的な資産価値評価を行うための前提として、建築経営管理の視点から研究を行い、環境に配慮した建築物を長期に利用することを通じて、持続可能な社会の実現に資することを目的とする。 土地と建物を別個の不動産とするわが国制度のもとでは、土地と建物の物的側面を注視したうえで個別の価格を考えることが一般的であり、環境や管理といった必ずしも可視的でない要素については捨象されがちであることより、土地建物一体型の不動産制度を採用する海外の不動産評価制度との比較を行う。 平成23年度は、建築物や環境の価値に関する概念・制度の整理として、先行研究・調査等の取りまとめを行うとともに、建築物や環境の価格形成要因、建築物や環境の経済価値評価手法について研究した。また、長期耐用・環境配慮型建築物の事例調査として、海外の長期耐用建築物の事例調査を行うとともに、国内の環境配慮型建築物の事例調査を行った。さらに、東日本大震災により多大な液状化被害を受けた千葉県浦安市に大学が所在することより、産官学の連携による浦安環境共生都市コンソーシアムを組成して、調査研究を行った。 環境配慮や建物の長期利用のための投資が適切に評価されるための課題とその方法を明らかにすることにより、わが国の不動産の仕組みをより持続可能なものとすることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に掲げる海外調査の実施、国内事例の調査に加えて、浦安環境共生都市コンソーシアムに関連する調査研究活動を行ったため、前2者については、必ずしも研究実施計画に記載する所期の研究を達成したとは言えない項目が発生した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の成果を踏まえ、環境配慮・長期利用型建築物について、市場における評価と不動産鑑定評価における評価基準ならびに評価事例を研究していく。そのために、国内外の建築物の実例について物的・市場・評価の側面から調査・分析し、土地価格重視のわが国の建築社会システムを、建築・環境重視に変換する方策を明らかにする。 平成24年度は上記に加え、CRE・PREにおける建築物の環境配慮と長期利用の実態、ならびに、環境配慮・長期利用型建築物の経営管理手法について資料収集を行う。 浦安環境共生都市コンソーシアム活動については、引き続き中心的な役割を果たし、被災により物的・経済的にダメージを受けた市域を環境配慮型社会にすることで、持続可能な街として復興するための具体的な提案を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内外の調査のための旅費、取材のための資料作成謝金、翻訳のための人件費等が主なものとなる。また、必要な文献の購入等のための費用が必要となる。 平成23年度の調査において、資料の収集が完了したものの、取り纏めおよび分析が完結していない部分を完成させるための人件費等を平成24年度に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)