2011 Fiscal Year Research-status Report
アジアの発展途上国の都市における街路空間利用形態に関する事例的調査・分析
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23560743
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
坪井 善道 日本大学, 生産工学部, 研究員 (70120508)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | カンボジア / シェムリアップ / 環境共生 / 水利事業 / コミュニティ空間 / 農村集落 / 湖上集落 / ヒアリング調査 |
Research Abstract |
平成23年度は、(1)研究の進め方、(2)調査対象地域の具体的範囲、(3)調査方法、(4)調査日程等、本研究の目的に叶う実証的データを得るための手順を前提として、先ず予備的調査を実施することとした。交付申請書に記述してある通り「日常生活空間として住居と一体化した街路空間の利用形態が、アジアの発展途上国の固有のコミュニティの持続性等に寄与していることを調査によって検証する」ことに加え、当初の研究目的で意図していた都市内の「街路空間の利用形態」に限らず、都市周辺地域の農・漁村地域の方が地域固有の生活形態が維持されている。従って、自然環境に直接生活が依存している農・漁村集落の生活形態が外部空間の多様な利用形態によって、環境共生型の生活空間を維持・形成していることを検証することが、特にアジアの発展途上国固有の生活空間を形成・維持するために必要である観点から調査を実施することとした。第1回の調査(2012.1.4~1.9)を行ったカンボジア国は、アンコール王朝時代からの水利事業と灌漑事業により、米穀主体の農業国であり、気候条件始め自然環境と共生する生活空間を形成・維持してきた。特に調査対象地域として選んだシェムリアップ地域はアンコール遺跡群を中心として、(1)農村集落ゾーン、(2)中心市街地ゾーン、(3)シェムリアップ川沿い集落ゾーン、および、水産資源の豊富な(4)トンレサップ湖上集落ゾーンに分類出来、各々が、水田地帯、市街地、河川、湖を基本とする居住空間が形成されてきている。また、住居形態、外部空間の利用形態には各ゾーン毎に立地環境による特徴が見られる。しかし、気候条件始め自然環境との密接な関わりによって形成されていることは、共通項といえる。さらに、コミュニティをまとめている共通の基本原則は、コミュニティ施設、および、持続的な近隣関係によっていることが、随時行ったヒアリングにより明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第1回の調査は、交付申請書に記述した目的に叶う調査結果が得られるか不確定な部分があった。そこで、数度他の研究調査で訪れたカンボジアを対象に、改めて本研究の目的を視座に据え、当地を目視観察によって概観することを主な調査目的とした。さらに2回目の調査によって、検証に資するより的確な資料を得ることが必要と考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は主に台湾の調査を予定している。都市部においては、中国固有の商業活動を中心に発展した歴史的都市文化を基本的に具有していることから、都市を中心とした外部空間の利用形態の調査を実施する。また、カンボジアの2度目の調査、平成25年度はモンゴルの調査を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に研究代表者・連携研究者の現地調査に関わる旅費に使用する。また、現地の大学に在籍する教授、および、国内の研究者の協力も予定しており、調査に同行していただくときの旅費、謝金(通訳)等の経費も予定している。
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Research Products
(2 results)