2011 Fiscal Year Research-status Report
敷地環境の点群データを活用した3次元設計教育手法の開発
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23560750
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
下川 雄一 金沢工業大学, 環境・建築学部, 准教授 (90308586)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | レーザー計測 / BIM / 3次元設計 / 点群データ / 敷地周辺モデル |
Research Abstract |
平成23年度は設計実験の準備作業を中心に研究を進めた。その進捗状況について、当初の研究計画に含まれる4つの項目について具体的に下記する。(1)設計実験対象敷地の選定とレーザー計測の実施:3年生の設計演習授業の課題と連動させることを意図し、その1つである「ランドスケープと一体化した図書館」を選定し、その敷地の周辺環境についてレーザー計測を実施し、CAD上における敷地周辺モデルとしての点群データを取得した。(2)点群データを含む敷地モデルの準備:取得した敷地周辺の点群データは過不足等が多いことから、実際に3次元設計時の敷地周辺モデルとして活用するため、路面・建物外観・樹木等で点群データが不足している部分をポリゴンで補完する作業が必要であるが、これについては平成23年度内では未着手である。(3)設計案評価環境の構築:設計作業環境(3次元CAD)では3次元の設計案モデルを効果的に評価するためのウォークスルー等が困難であるため、別途、設計案評価環境として点群データとポリゴンデータを共存させた状態でウォークスルー可能なソフトウェア環境を導入・検証した。結果、今回取得した点群データと大容量の設計案3次元モデルを同時表示させた状態でも滑らかにウォークスルー可能であることが確認できた。(4)試験運用と設計作業モデルの整理:今回準備した設計作業環境や設計案評価環境について、研究協力者である大学院生に簡易な試験運用を実施してもらい、具体的なソフトウェアの操作方法等を含む、設計作業モデルを整理した。 以上は、点群データによる敷地周辺モデルを使用した設計実験実施のために不可欠な準備作業であり、更に準備作業をより綿密に進めることにより、有意義な設計実験が可能になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
約80%の達成度と考える。その理由として、上記の「研究実績の概要」で示した(1)~(4)の具体的な研究作業の内、(2)点群データを含む敷地モデルの準備作業が十分に実施できてない点が挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の「現在までの達成度」で示したように、現在遅れている(2)点群データを含む敷地モデルの準備を早々に実施する。その後、当初の平成24年度研究計画に沿って研究を進める。具体的には、これまでに準備した点群データを主体とした敷地モデルを用い、被験者である学生10名に3次元CADによる作業を主体とした図書館の建築設計課題を実施してもらう。また、それらの作業プロセスを可能な限り記録にとり、その作業プロセスを分析し、設計初期段階における点群データ活用の有効性について分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
設計実験用の高性能ビデオカード内臓PC、および点群データ処理ソフトウェアを購入予定である。その他、敷地モデルの加工作業の謝金を支出予定である。
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