2012 Fiscal Year Research-status Report
敷地環境の点群データを活用した3次元設計教育手法の開発
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23560750
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
下川 雄一 金沢工業大学, 環境・建築学部, 准教授 (90308586)
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Keywords | 点群データ / 建築設計 / 3次元 / BIM / CAD / レーザー計測 / 環境デザイン / コンテクスト |
Research Abstract |
本研究の目的は、建築設計の初期段階で敷地やその周辺環境の点群データを活用する事によって3次元設計教育にどのような効果を与えられるかを確認することである。2年目の研究計画として、学部3年生の学生(10名程度)を対象として設計実験を行い、その設計実験のプロセスの記録や分析を通して点群データの活用効果を抽出・整理すること、及び点群データ自体や作業環境に対する課題等を整理することを挙げていた。 これに対し、12名の学部3年生(被験者)を対象とし、設計実験を行うことができた。設計実験では、点群データの活用方法が異なる4つのグループに被験者を分け、設計検討を行う度にチェックシートに点群データ使用の有無や利用時間や目的等を記録してもらった。結果、設計検討作業における点群データの利用頻度や利用特性、グループ間での利用特性の相違などを確認することができた。 上記した4つの被験者グループとは、(A)点群データを参照しない設計者、(B)点群データの参照のみ可能且つ手書きエスキス中心の設計者、(C)点群データの参照のみ可能且つCADエスキス中心の設計者、(D)点群データの中で3次元エスキスが可能な設計者、である。グループ間の違いとして、(D)のグループが点群データの利用時間が長いこと、グループ間の共通点として、外構計画やランドスケープ、アプローチ等、建物内部よりも外部に関係する内容の検討時に点群データの使用率が高いこと等が明らかとなった。また、(C)のグループはCADソフトとは別に点群データ閲覧ソフトを併用する必要があり、非力なノートPCでは点群データの処理速度が遅いため、比較的閲覧回数が少なかったことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目に関しては、予定していた設計実験を概ね計画通りに実施・分析することができた。ただし、細かい点では予定していた設計実験過程の記録方法が異なる部分もある。例えば、当初の計画ではソフトを使ってPCのモニター画面を一定間隔で記録する方法も考えていたが、点群データ閲覧の負荷が予想以上にあったため、任意の間隔で画面記録を残してもらうことに加え、エスキス毎にチェックシートを記入してもらう形とした。 また、被験者を4つのグループに分けて点群データの活用をしてもらったが、学生の希望をそのまま受け入れたため、グループ毎に被験者の偏りが生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、引き続き被験者を増やしながら設計実験を重ね、点群データの活用性の評価を進めていく。2年目では定性的な設計実験の評価が中心であったが、3年目ではより大人数の学生に対して点群データを活用してもらい(任意のため、どこまで増えるかは分からないが)、定量的な点群データの活用性評価を実施していく。また、点群データ活用性のメリットはもとより、デメリットの抽出や点群データ閲覧環境の評価等も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は150万円弱の直接経費があり、まずその半分程度の費用で設計実験のサンプル数を増やすため、2年目とは別の設計課題でも設計実験を実施できるよう、別の敷地のレーザー計測を外部業者に委託し、新たな点群データを取得する。 残りの費用については、点群データをCADで読み込むためのソフトや関連資料を追加購入したり、被験者への謝金等へ充てる計画である。
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