2013 Fiscal Year Annual Research Report
敷地環境の点群データを活用した3次元設計教育手法の開発
Project/Area Number |
23560750
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
下川 雄一 金沢工業大学, 環境・建築学部, 准教授 (90308586)
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Keywords | 点群データ / レーザー計測 / CAD / 設計環境 / 3次元 / モデリング / BIM |
Research Abstract |
平成24年度は被験者を伴った点群データを利用した設計実験を行い、一定の効果を確認したが、点群データ閲覧と設計モデル作成を同一作業空間で展開できる環境下での実験サンプルが不足していた。よって25年度はそのような作業環境での設計展開を必須とした設計実験を中心に、計9名の被験者に設計実験を実施してもらい、前年度と同様の方法で記録と分析を実施した。結果、被験者によって点群データの閲覧特性は様々であった。例えば、設計時間に対する点群データ閲覧時間が1%に満たない被験者から10%近くまで達した被験者もいた。また、早い段階から点群データを閲覧する被験者もいれば、中盤まで全く閲覧しない被験者も見られた。点群データ閲覧のメリットとしては、①スケール感の把握、②周囲の景観特性の理解、③周辺建物との高さ関係の確認、といった点で共通して評価が高かった。前年度の分析結果との相違点として①の評価が高いことが確認された。これは敷地周辺を表す点群データと設計案を表す3次元モデルを同じ座標空間で閲覧することで、スケール感が感じとり易くなったと考えられる。ハード面の評価としては、比較的ロースペックのPC環境下でも1000万点程度の点群データを開きながらモデリングを進めることができることも明らかとなった(点群データが不要な時は非表示にして作業できる)。但し、設計の進行とともに構成要素数が増えていくことで、点群データと設計モデルを同時に表示した状態でのビューイング操作の負荷が高まることも確認された。研究の開始時に計画していた、多人数授業での定量的な点群データ利用による設計実験については諸事情により断念したが、一方で、当初の計画になかった3次元オブジェクトCAD上での点群データ利用方法を詳しく調査し、平成25年度の被験者実験に応用することができた点は、今後の設計環境のBIM化の一助になると考えられる。
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