2013 Fiscal Year Research-status Report
フランスの持続可能な地区整備事業エコ・カルティエと団地更新に関する研究
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23560752
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
阿部 順子 椙山女学園大学, 生活科学部, 准教授 (50381455)
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Keywords | エコ・カルティエ / 団地更新 / フランス / リヨン・コンフルエンス |
Research Abstract |
H25年度には現地調査を1回行い、これまでの研究の成果の一部を口頭発表した。 本研究は、H20-21科研費若手B「フランスの近年の団地更新における共用部の改修手法に関する研究」に続く、フランスの団地更新に関する研究である。建築や都市のサステナビリティという全世界的な課題に対して、フランスは先発国ではないが、その分、先行するドイツやデンマークの経験から同じ欧州の大国としてどのような取り組みがなされているか、そして、それが団地更新事業と関連されたとき、どのようなポジティブな効果があるのか、明らかにしたく現地調査・ヒアリング調査を行った。また、リヨン・コンフルエンスのスマート・コミュニティ実証実験は、日本の技術を世界標準に組み込ませるための布石であり、実地で進捗を確認することは、建築と都市のサステナビリティの将来を見据えるという点で大変重要と考えた。またフランスのエコ・カルティエ関係省庁の資料にエコ・カルティエとリヨン・コンフルエンスとの関係が明確にされていなかったこともあり、それも明らかにしたく、以下の①~③の現地調査を行った。 ①エコ・カルティエコンクール受賞プロジェクトのうち、団地更新を含む4プロジェクトの(ZAC ド・ボンヌ地区(グルノーブル)、ラ・デュシェール地区(リヨン)、ヴォルフ=ワグネル地区(ミュルーズ)、ラ・ミュエット地区(ガルジュ=レ=ゴネス))現地調査を行った。②①の事業に関係した住民組織関係者、社会住宅供給主体、関係自治体などへヒアリング調査を行った。③エコ・カルティエコンクールに参加していない、フランス最大のスマート・コミュニティ実証実験サイト、リヨン・コンフルエンスの現地調査およびヒアリング調査を行った。 H25年9月の日本建築学会大会(北海道)学術講演にて、「フランスのエコ・カルティエに関する研究・その2」としてまとめ、口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H24年6月からH25年3月までの休職によって、この間研究を進めることができなかった。その遅れを取り返すべく、H25年7月にフランス各地で効率よく現地調査を行った。その結果、住民が光熱費など実質的なエコ・カルティエ居住の有益性を把握できていないこと、住こなしが不十分であることがわかった。そこで、当初の研究計画を変更し、研究期間を延長して、時間をあけて再調査すべきという結論に達した。このような理由で、当初の計画に比べると「遅れている」が、実質的により精度の高い研究成果を期待できる計画変更と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
渡航費や現地交通費・滞在費など為替の影響を受けるため、予算の都合上、現時点ではH26年度中に2回渡仏できるか不明であるが、以下の2種類の調査を予定している。いずれにせよ、予算上も作業上も、可能な限り効率的になるよう心掛けている。そのために必要に応じて、一部の作業を委託することも視野に入れている。 調査A:エコ・カルティエ事業の担当省庁に事業の今後の展開について、そして最初のエコ・カルティエ認証を2012年12月に取得した自治体関係者にその後の変化・認証の効果についてヒアリング調査を実施する。 調査B:光熱費の年間使用量が住民に把握されると思われる時期、H27年1月に前回の調査対象を再調査する。 これらの調査結果をふまえ、これまでの研究で得た知見と合わせて日本建築学会計画系論文集への投稿、日本建築学会大会学術講演会での口頭発表というかたちで、成果を公表したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年6月からH25年3月までの休職によって、この間研究を進めることができなかった。その遅れを取り返すべく、H25年7月にフランス各地で効率よく現地調査を行った。その結果、住民が光熱費など実質的なエコ・カルティエ居住の有益性を把握できていないこと、住こなしが不十分であることがわかった。そこで、当初の研究計画を変更し、研究期間を延長して、時間をあけて再調査すべきという結論に達し、H26年度に次年度使用額1,540,701円を使用することになった。 渡航費や現地交通費・滞在費など為替の影響を受けるため、現時点では2回渡仏できるか不明であるが、以下の2種類の調査が主な使用と考えている。予算上も作業上も、可能な限り効率的になるよう心掛ける。1回しか渡航できない場合は調査委託も視野に入れる。資料整理等の単純作業はアルバイトを使いたい。【調査A】エコ・カルティエ事業の担当省庁に事業の今後の展開について、そして最初のエコ・カルティエ認証を2012年12月に取得した自治体関係者にその後の変化・認証の効果についてヒアリング調査を実施する。【調査B】光熱費の年間使用量が住民に把握されると思われる時期、H27年1月に前回の調査対象を再調査する。 これらの調査結果をふまえ、これまでの研究で得た知見と合わせて日本建築学会計画系論文集への投稿、日本建築学会大会学術講演会での口頭発表というかたちで、成果を公表したいと考えている。
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Research Products
(2 results)