2013 Fiscal Year Annual Research Report
中国蘇州庭園における自然観の表現と空間形態に関する研究
Project/Area Number |
23560760
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三谷 徹 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (20285240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
章 俊華 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (40375613)
鈴木 弘樹 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50447281)
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Keywords | 庭園意匠 / 建築意匠 / ランドスケープ / 都市デザイン / 園芸学 |
Research Abstract |
(1)最終現地調査(11月23日~11月27日)による対象庭園の補足データ取得: 本研究チームの3部門、建築意匠、庭園文学表象、庭園池泉意匠は平成23,24年度中に、開口景の心理的評価による分類、扁額などの景の表象に関する類型、建築意匠と護岸意匠の相関について、ある程度の結論を得ていたため、本年度はその補足のため第4回最終調査を再度行った。 (2)研究成果の現地での発表・討論: 以上の結論を現地(蘇州市)の研究者に開示し、コメントを得ることが有効と考え、現地発表を行った。(「蘇州庭園空間形態調査研究の紹介」、主催:蘇州園林学会、園林設計院、日時:11月26日、場所、蘇州科技大学)。建築意匠チームは開口景の心理量分析により景が分類されるとした知見、文学表象チームは扁額による景の表象から分類されうるとした知見、池泉意匠チームは庭園池泉の護岸周辺デザインが園林建築の空間形態から分類されるという知見についてそれぞれ発表し、現地専門家からは、これまでの伝統意匠からの研究とは異なるアプローチが評価される一方、その分析着眼点にさらなる示唆も受けた。 (3)研究成果のまとめ: 以上の発表を経て、各チームの具体的な知見とその総合考察を、「中国蘇州庭園における自然観の表現と空間形態に関する研究」(A4版71頁)として編集製本し、また現地の中国研究者にも評価してもらうよう中国語翻訳版も編集製本した。本研究3年間の成果として、開口景からの庭園意匠の与える心理効果とその建築における文学的表象の分類との間に関係のあること、また開口景を与える庭園意匠や池護岸の意匠分類が建築の機能と空間形式に関係しており、その建築空間形式も蘇州市の明清時代における運河建築の発達と類似していることなどが知見され、今後アジア圏庭園研究として、庭園-建築-都市の間における相互関係を論ずるひとつの手がかりを得たと考える。
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