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2012 Fiscal Year Research-status Report

歴史的文化財としての鉄筋コンクリート造建造物の保存の理念に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23560761
Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

吉田 鋼市  横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 教授 (60111704)

Keywords建築史・意匠 / 建造物文化財保存 / 鉄筋コンクリート
Research Abstract

平成24年度は、ロンドンの動物園のペンギンプール,ロイヤル・フェスティヴァルホール,バービカンセンター等、近年、保存修理された鉄筋コンクリート造の建物を調査した。ペンギンプールは創建当初の姿の完全な復元をめざす保存修理で創建当初の新鮮さとダイナミックスさが蘇った。後2者は、あまり大きな手を加えず使い続ける方針による修理で、汚れたコンクリートの表面も少し残されており、むしろ好感がもてた。またパリのDocks en Seine, Bercy village, cite de creation et de production も訪れた。最初のものはセーヌ河岸のもとの広大な倉庫群を展示場・会議場・オフィス等に再利用したもので、打ち放しの鉄筋コンクリート造の躯体がそのまま再利用されている。ただしセーヌ河側に派手で大胆な鉄骨造の装飾カバー的付加物が新設されている。2番目のものもまた倉庫群をショッピングセンターにしたもので、これは大いに成功しているようである。最後のものは使われなくなった巨大な建物を大修理もせずにアーティスト達に貸している例で、これもまた一つの方法だと思わされた。総じて、鉄筋コンクリート造の建物の保存は多種多様で、一つ一つが試行的実践であるという感想をもった。
平成24年度の成果として最近の考察を日本建築学会大会で発表予定であり、またこれまでの研究を神奈川県立川崎図書館の雑誌「科学EYES」に発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

イギリスの実例を調査することができ、またパリでの業務の合間に最近の実例も見ることができ大いに参考になった。保存の理念に関する文献調査も、現在は「古さの価値」の認識を中心に実施中である。

Strategy for Future Research Activity

次年度も、引き続き実際の保存修理の例の調査をする予定であり、同時にいくつかの重要な文献を購入して資料の充実を図りたい。また、研究の最終年度のため、成果のまとめを考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度購入予定であった文献が出版延期となっており、残額が発生した。次年度は、引き続きヨーロッパにおける保存・活用の事例を調査する予定であり、研究費は主としてこうした調査費用に使われる。同時にいくつかの重要な文献を購入して資料の充実を図りたい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 材料のオーセンティシティと古さの価値2013

    • Author(s)
      吉田鋼市
    • Journal Title

      平成25年度日本建築学会大会学術講演梗概集

      Volume: F2 Pages: 637-638

  • [Journal Article] 近代の建築の保存と復原-保存DNAとオーセンティシティ-2013

    • Author(s)
      吉田鋼市
    • Journal Title

      科学EYES

      Volume: Vol.54, No.2 Pages: 1-8

URL: 

Published: 2014-07-24  

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