2013 Fiscal Year Annual Research Report
ワイマール期ドイツにおける労働者向け住宅建設の理念と実践に関する研究
Project/Area Number |
23560765
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中江 研 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40324933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 一貴 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 学術推進研究員 (90533977)
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Keywords | ドイツ / モダニズム / ジードルンク / 住宅政策 / 戦間期 |
Research Abstract |
2013年度においては,これまでの資料収集と分析を進める中で,ワイマール期初頭のペーター・ベーレンスやハインリヒ・デ・フリースといったドイツの近代建築史のなかで重要性が指摘される建築家に関しての新たな資料の入手により,この時期のより詳しい分析検討の必要が高まったため,研究組織として一名の研究分担者を加えた。資料収集に関してはドイツに渡航し,従業員用の福利厚生施設整備で著名なクルップ社が自社による社宅街整備から財団を設立しての田園都市建設へ方針転換する状況についての資料収集をクルップ歴史資料館で行なうとともに,マルガレーテヘーエ他,住宅地の現地調査を行なった。 またこれまでに得た知見をもとに,下記3点について論考としてまとめた。 (1)19世紀末から住宅法の制定に向けて運動を推進してきたドイツ住宅改革協会の会合「高層建築か,それとも低層建築か[Hochbau oder Flachbau]」(1927年)の講演録を資料として,同協会において住宅がどのようにあるべきと考えられたのか,その会合での議論の内容についての分析・考察 (2)第一次大戦前後の安価で良質な住宅の供給をめぐる建築家の提案に関しての重要な著書とされるペーター・ベーレンスとハインリヒ・デ・フリースの共著『倹約建築について』(1918年)の内容についての考察 (3)1920年代後半から30年代初頭の国会議事録,ライヒ労働省,内務省等の公文書を資料として,1930年前後の住宅建築施策において設定された建設されるべき住宅の形の把握と,そうした施策が建築家たちの動向にあたえた影響についての分析・考察
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Research Products
(5 results)