2011 Fiscal Year Research-status Report
近世ヨーロッパにおける王権と地域勢力の角逐の場としての都市・国土インフラの整備
Project/Area Number |
23560771
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
中島 智章 工学院大学, 建築学部, 准教授 (80348862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 毅 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20168355)
加藤 玄 日本女子大学, 文学部, 准教授 (00431883)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 西洋史 / 美術史 / 建築史・意匠 / 都市計画 / インフラ |
Research Abstract |
本研究課題の柱の一つである「港と運河のテーマ」に基づき、以下の海外調査を実施した。1) フリースラント11都市のうち、ボルスワルドの実測調査に参加し、スネークの予備調査を実施した。ボルスワルドは教会堂と市庁舎という二つの核を持つ都市であることが明らかとなった。2) 南仏・ラングドック地方に開削されたミディ運河を踏破しつつ予備調査を実施した。水源であるモンターニュ・ノワール中のダム施設、分水嶺の諸施設、閘門、トンネルなどのインフラを中心に実地調査に及んだ。 学会等における発表としては「港と運河のテーマ」の一環として、水運によって消費地に運搬されていたガラス・鏡のヴェルサイユ宮殿における使用の問題を取り上げた下記の口頭発表がある。中島智章:「ヴェルサイユ宮殿鏡の間における採光の問題と王立鏡面ガラス製作所の鏡の導入」、『日本建築学会学術講演梗概集』F-2建築歴史・意匠、pp.717-718、2011年8月 一方、「軍事施設のテーマ」の方では、中世ヨーロッパの城塞や都市築城について広範に取り上げた下記の書籍を単独で翻訳して公刊した。J.E.KAUFMANN and H.W.KAUFMANN:The medieval fortress-Castles,Forts,and Walled cities of the Middle Ages,[Da Capo Press,Combined Publishing,2001J・E・カウフマン/H・W・カウフマン:『中世ヨーロッパの城塞 攻防戦の舞台となった中世の城塞、要塞、および城壁都市』、中島智章訳、マール社、2012年
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度研究計画に挙げた南仏・ラングドック地方のミディ運河の調査、および、オランダ・フリースラントの11都市の調査を予定通り実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
港と運河のテーマのうち、ミディ運河とフリースラント11都市については平成23年度から継続する。*ミディ運河関連→平成23年度から継続*フリースラント11都市→平成23年度から継続→フリースラント内のネットワークのみならず、中央権力(時代により神聖ローマ帝国皇帝、スペイン国王、オランダ共和国政府と変遷していく)との関係についても明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の研究計画に則って2度の海外調査を予定している。それゆえ、今年度に引き続き、次年度もほとんどを旅費として使用する予定である。
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