2012 Fiscal Year Research-status Report
近世ヨーロッパにおける王権と地域勢力の角逐の場としての都市・国土インフラの整備
Project/Area Number |
23560771
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
中島 智章 工学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80348862)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 毅 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20168355)
加藤 玄 日本女子大学, 文学部, 准教授 (00431883)
|
Keywords | 西洋史 / 美術史 / 建築史・意匠 / 都市計画 / インフラ |
Research Abstract |
本研究課題の柱の一つである「港と運河のテーマ」に基づき、以下の海外調査を実施した。1) フリースラント11都市のうち、レーワールデンの実測調査に参加し実測調査などを実施した。レーワールデンは三箇所のテルプを核として発達し、市域の拡大とともに運河網が拡充されてきたことが明らかとなった。2) 南仏・ラングドック地方に開削されたミディ運河をめぐる諸都市のうち、コーヌ・ミネルヴォワ、コロンビエ、フォンコード修道院、ロクブラン、オラルグ、サン・ポンス、ナルボンヌ、カペスタン、ニサン・レザンセリューヌ、レスピニャン、フルーリ、フロンティニャン、マグローヌ司教座聖堂、カストリーの予備調査を実施した。 学会等における発表としては「港と運河のテーマ」の一環として、水運によって消費地に運搬されていたガラス・鏡の製作所の設立を画したといわれる勅許状を取り上げた下記の口頭発表がある。中島智章:「1665 年10 月の王立鏡面ガラス製作所設立勅許状と宮殿建設事業」、『日本建築学会学術講演梗概集』F-2建築歴史・意匠、pp.325-326、2012年9月。 一方、「軍事施設のテーマ」の方では、中世ヨーロッパの城塞や都市築城について広範に取り上げた下記の書籍の日本語版を監修した。 Charles Stephenson: Castles: A History of Fortified Structures: Ancient, Medieval & Modern, St. Martin's Griffin, 2011 チャールズ・スティーヴンソン(著)、村田綾子(訳)、中島智章(日本語版監修):『世界の城の歴史文化図鑑』、柊風舎、2012年
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度研究計画に挙げた南仏・ラングドック地方のミディ運河の調査、および、オランダ・フリースラントの11都市の調査を予定通り実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
港と運河のテーマのうち、ミディ運河とフリースラント11都市については平成24年度から継続する。 *ミディ運河関連 →平成24年度から継続 *フリースラント11都市 →平成24年度から継続 →フリースラント内のネットワークのみならず、中央権力(時代により神聖ローマ帝国皇帝、スペイン国王、オランダ共和国政府と変遷していく)との関係についても明らかにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の研究計画に則って2度の海外調査を予定している。それゆえ、今年度に引き続き、次年度もほとんどを旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)