2013 Fiscal Year Research-status Report
近世ヨーロッパにおける王権と地域勢力の角逐の場としての都市・国土インフラの整備
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23560771
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
中島 智章 工学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80348862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 毅 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20168355)
加藤 玄 日本女子大学, 文学部, 准教授 (00431883)
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Keywords | 西洋史 / 美術史 / 建築史・意匠 / 都市計画 / インフラ |
Research Abstract |
本研究課題の柱の一つである「港と運河のテーマ」、および、「軍事施設のテーマ」に基づき、以下の海外調査を実施した。1) オランダのフリースラント11都市のうち、ハルリンゲン(Harlingen)市の都市・建築実測調査に参加し実測調査・写真撮影などを実施した。ハルリンゲンはフリースラント海軍本部設置を契機として発達し、市域の拡大にあたってはグリッド状の道路網を伴った計画的な都市計画をもって拡充されてきたことが明らかとなった。2) オランダ人たちが17世紀前半に、現在の台湾・台南市に構築した「ゼーランディア要塞」(Fort Zeelandia)の実地調査を行った。本要塞は、上記のハルリンゲンがオランダ海軍の本拠地の一つとして発展したのと同時代に建設され、要塞付近にはオランダ人たちの東洋における拠点として港湾施設も建設された。 学会等における発表としては「港と運河のテーマ」と「軍事施設のテーマ」が交わる対象として、フランスとスペインの勢力が直接対面する地域の一つであるルーシヨン(Roussillon)の中心都市ペルピニャン(Perpignan)の築城整備とラングドック=ルーシヨン運河の関係について取り上げた下記の口頭発表がある。中島智章:「ペルピニャンの都市築城の近代化改修とミディ運河をめぐるフランス王国工兵の動向」、『日本建築学会学術講演梗概集』F-2建築歴史・意匠、pp.775-776、2013年8月。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に挙げたオランダ・フリースラントの11都市の調査としてハルリンゲン市の建築都市調査、および、海防要塞の一例として台南市のゼーランディア要塞の調査を予定通り実施し、前者はつつがなく終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
港と運河のテーマのうち、ミディ運河については平成25年度から継続する。 *ミディ運河関連 →平成25年度から継続 *南仏の要塞都市と海防要塞関連 →地方三部会などの地域勢力と王権から派遣された軍事技師の関係にも光を当てる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた物品の価格が想定していたよりも安価だったため。 国外旅費の一部として次年度予算と合わせて使用予定。
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Research Products
(3 results)