2011 Fiscal Year Research-status Report
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23560773
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Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
Principal Investigator |
大橋 竜太 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (40272364)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 歴史的建築物 / 保存・再生 / 防災 / 安全 / 制度 / アメリカ:オーストラリア |
Research Abstract |
歴史的建築物を保存・活用していく際の安全性確保に関わる諸問題について、平成23年度はアメリカの実践的手法に関して、検討を加えた。文献、インターネット等での情報収集に加え、ボストン、シカゴ、サンフランシスコで、関係者に聞き取り調査を実施した。アメリカの場合、歴史的建築物の建築行為については建築コードで規制を加え、安全性を担保するのが原則となっているが、実際には、州もしくは都市によって、その手法は少しずつ異なっている。それは、地域によって歴史的建築物のタイプや特性が異なっているからである。たとえば、シカゴでは、保存の対象となっている歴史的建築物の多くは高層建築であり、災害時の人々の避難誘導に加え、劣化した外壁の落下等の問題に大きな配慮がなされており、サンフランシスコでは、地震に備えてレンガ造建築の補強に細心の注意が向けられている。また、これらの対策は、歴史的建築物の保存部局のみではなく、建築審査業務でも行われており、建築取締官の役割が大きいことが明らかとなった。既存建築の安全性の確保と歴史的建築物の保存の問題は、わが国でも今後の課題となろう。 一方で、歴史的建築物の保存における安全性の問題を考察する際、避けて通ることができない大惨事が発生した。すなわち、平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、わが国の今後の歴史的建築物の保存・活用に、重大な教訓を与えることとなった。わが国の今後の歴史的建造物の保存手法を検討することが目的である本研究にとって、東日本大震災による歴史的建築物の被災調査は必要不可欠であり、震災による歴史的建築物の保存・活用の問題点を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調であるが、アメリカの保険会社など、相手国の関係者へのアポイントがなかなかとれず、情報収集が不足している点が少々ある。
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Strategy for Future Research Activity |
アメリカの保険会社等の手法に関する情報収集等、アメリカの現状に関する調査・研究を補完するとともに、自然保存が盛んなオーストラリアの現状に関する調査・研究をすすめる予定である。 また、東日本大震災による歴史的建築物の復旧計画における安全性の確保の実態と問題点を整理し、諸外国の手法の応用の可能性を検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、これまで行ってきた文献、インターネット等での情報収集に加え、連携研究者の後藤治氏とともに、オーストラリアで関係者への聞き取り調査を実施する予定である。そのため、研究費の大半は、その旅費、謝金等にあてる。また、東日本大震災によって被害を受けた歴史的建築物の復旧に関しても、現地調査を実施する予定であり、そのために、旅費、謝金等を用いる。これら研究時に必要な消耗品等を購入する予定である。
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Research Products
(1 results)