2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560776
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Research Institution | Nagaoka Institute of Design |
Principal Investigator |
平山 育男 長岡造形大学, 造形学部, 教授 (50208857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤川 昌樹 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (90228974)
西澤 哉子 長岡造形大学, 造形学部, 研究員 (90440453)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 米材 / 機械製材 / 町並み / 町家 |
Research Abstract |
平成23(2011)年度においては先ず、全体の研究における準備・予備調査として、橋本市中心市街地における再開発計画進捗の確認を行い、今後の計画を立案した。以後、当該年度においては、再開発事業の進捗に伴い解体除去の決まった西村家住宅(主屋:18世紀後期、離れ座敷:昭和4・1929年)、津守家住宅(長屋:明治時代後期)、火伏家住宅(主屋:享保6・1721年、病院棟:大正時代、離れ座敷:昭和2・1927年)、大谷家住宅(主屋:大正15・1926年、:倉庫:大正13・1924年)、池永家住宅(主屋:昭和11・1936年、離れ座敷:大正9・1920年)において建築調査を実施した。 一方、近代の橋本における町家の形成における機械製材を受けた木材と外材の流入を明らかとするため、建築調査を通じて発見された建築資料の文献調査を平行して行った。木村家住宅、稲葉家住宅、池永家住宅、上田家住宅の近代における建築資料の読解を通して、橋本の中心市街地における機械製材の導入は大正時代初期頃から、米材の使用は大正時代末頃からであることを確認した。なお、資料に記される和歌山市の材木店における聞き取り調査も加えて実施した。調査において、当該の材木店は現在は欄間の制作に特化するものの、戦前期においては銘木の販売も行ったことを確認した。 また、橋本地域に隣接する東家地区においては地区内における環境物件調査を実施し、同地区の構成及び橋本地区との比較を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
橋本市中心市街地においては、再開発事業は予定よりやや遅れて進んでいるものの、当該地域における予定建物の除去は着実に進んでいる。そのため申請者らにとっては必ずしも本意ではないものの、建物の除去に伴う建築調査の機会が巡ることで、分析の対象となる建築物の戸数は着実に増加している。 また、機械製材及び米材の橋本における導入時期も、建築資料の読解及び実際の建物調査を通し、昨年度の段階で確実に明らかにしたことで、当所の目的は計画通り進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、当該地域において除去対象の建築調査を継続的に実施する。 また、米材の導入が造形に与えた影響を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地における建築調査に対する旅費、調査補助者に対する謝礼が多くを占めることとなる。
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