2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560776
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Research Institution | Nagaoka Institute of Design |
Principal Investigator |
平山 育男 長岡造形大学, 造形学部, 教授 (50208857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤川 昌樹 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (90228974)
西澤 哉子 長岡造形大学, 造形学部, 研究員 (90440453)
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Keywords | 米材 / 機械製材 / 町並み / 町家 / 建築資料 |
Research Abstract |
平成24(2012)年度には、再開発事業の進捗に伴い解体除去の実施された牲川家住宅(主屋:宝暦4・1754)年、上田家住宅(主屋東棟:昭和38・1963年上棟)において建築調査を実施した。また、当該地域において、山本家住宅(主屋:18世紀中期頃)、周辺地域において中山家住宅(主屋:昭和6・1931年)、豊島家住宅(主屋:天明3・1783年)、松山製材所(昭和32・1957年、倉庫:昭和32・1957年、ウエノソウコ:昭和46・1971年)などの調査を実施した。 また、近代の橋本における町家の形成における機械製材を受けた木材と外材の流入を明らかとするため、これまでにおける一連の建築調査を通じて発見された建築資料の文献調査を平行して行った。橋本市中心市街地の所在した木村家住宅、稲葉家住宅、池永家住宅、上田家住宅の近代における建築資料の読解を通して、橋本の中心市街地における機械製材の導入は大正時代初期頃から、米材の使用は大正時代末頃からであることを再確認した。 更に、これまでの調査資料などから当該地域における主屋を中心とする建物の桁高さの変遷を調査した。軒高さは遺構の残る江戸時代中期以後、緩やかに高くなる傾向を確認したが、特に大正時代後期以後、桁材を中心に米材が使われるようになると建築物の軒高さが従来よりも一段と高くなる傾向のあることを明らかとした。 また、橋本地域に隣接する東家地区においては地区内における環境物件調査を継続して実施し、同地区の構成及び橋本地区との比較を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
橋本市中心市街地においては、再開発事業は予定よりやや遅れて進んでいるものの、当該地域における予定建物の除去は着実に進んでいる。そのため申請者らにとっては必ずしも本意ではないものの、建物の除去に伴う建築調査の機会が巡ることで、分析の対象となる建築物の戸数は着実に増加している。 また、機械製材及び米材の橋本における導入時期を明らかにした上で、それらが建築の造形に及ぼした影響を具体的に示すことをができ、当所の目的は計画通り研究は進んでいるものと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、当該地域において除去対象の建築調査を継続的に実施する。 また、米材の導入が造形に与えた影響を検討する、その理由を明らかとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地における建築調査に対する旅費、調査補助者に対する謝礼が多くを占めることとなる。
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Research Products
(17 results)