2012 Fiscal Year Research-status Report
森田慶一と増田友也を中心とした京都学派の建築論に関する基礎的研究
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23560777
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
市川 秀和 福井工業大学, 工学部, 教授 (60293411)
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Keywords | 京都学派 / 建築論 / 森田慶一 / ウィトルウィウス / エウパリノス / 増田友也 / 建築空間論 / ハイデッガー |
Research Abstract |
本研究題目「森田慶一と増田友也を中心とした京都学派の建築論に関する基礎的研究」の3カ年における2年目の平成24年では、以下の3点である。 ①森田慶一の建築論構築にとって重要な意義があった研究環境、つまり当時の京都帝国大学建築学科の教授陣と学風、特に主任教授・武田五一の建築意匠論に注目した前年度に引き続き、構造学の教授との関わりに新たに着目して「京都学派の建築論」の成立する背景や経緯を究明した。この成果は、日本建築学会近畿支部にて報告した。 ②森田慶一の主著『建築論』(1978年出版)における独特な概念の「全一」について、さらにこの読解へのアプローチについて考察し、森田の建築論の解明を目指した。この成果については、建築史学会や美学会にて報告した。 ③森田慶一の建築論を受け継いだ増田友也に関する基礎的な考察を行った。これまで明確でなかった生涯や思索の全貌を解き明かした。この成果については、大学紀要に報告し、次年度の日本建築学会に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3カ年計画における2年目の平成24年度では、申請時での研究目的・研究計画に沿った着実な成果が以下の3点であり、当初の計画以上に進展していると考えている。 ①森田慶一の建築論構築にとって重要な意義があった研究環境、つまり当時の京都帝国大学建築学科の教授陣と学風、特に主任教授・武田五一と構造学の教授との関わりに新たに着目して「京都学派の建築論」の成立する背景や経緯を究明した。 ②森田慶一の主著『建築論』(1978年出版)における独特な概念の「全一」について、さらにこの読解へのアプローチについて考察し、森田の建築論の解明を目指した。 ③森田慶一の建築論を受け継いだ増田友也に関する基礎的な考察を行った。これまで明確でなかった生涯や思索の全貌を解き明かした。
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Strategy for Future Research Activity |
3カ年計画の最後の3年目にあたる平成25年度では、平成23,24年の2年間の成果を取り纏めて本研究課題の総括を行うとともに、これを踏まえた新たな研究課題を設定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請時の研究計画・研究経費に基づき、平成25年度は、これまでの2年間の研究成果を取り纏めて学会等で研究発表するとともに、さらに研究者間の意見交換も行いつつ、本研究課題の最終「報告書」の作成に取り組む。よって、成果をまとめる上での若干の和洋書籍購入費、研究発表のための学会参加費・旅費、そして報告書作成費などの研究費の使用を計画している。
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Research Products
(5 results)