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2011 Fiscal Year Research-status Report

近世公家住宅をめぐる様式復古の実態に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23560780
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

藤田 勝也  関西大学, 環境都市工学部, 教授 (80202290)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords建築史・意匠 / 日本史 / 公家住宅 / 様式復古 / 寝殿造
Research Abstract

今年度は近世公家住宅関係の史料、とくに指図類を中心とする文献史料の博捜と整理が基礎的作業として位置づけられることから、この作業に鋭意取り組んできた。 なかでも木子文庫(東京都立中央図書館)に所蔵される関係指図については、屋敷が特定されていないものが少なくないため、同文庫目録を参看しつつ、内容把握のための読み込み作業を詳細に行った。 また東京大学史料編纂所が所蔵する裏松家史料は、とくに寛政年間以降における公家邸の復古造営に関して多くの有益な情報をもつことから、本研究の遂行上、不可欠な存在であったのだが、これまでは未整理のため閲覧叶わなかったところ、目録整理が終了し、容易に閲覧と収集が可能になった。本年度はこの史料に関しても、実態把握が進捗した。さらにまた、京都府立総合資料館に所蔵される中井家文書に関連史料が存在することは把握していたところであるが、あらためて閲覧と分析の作業を詳細に行った。 一方、公家住宅の現存遺構についても実地調査を行った。二尊院(京都市右京区)に現存する茶室が近世二條家においてたてられた親王の御殿遺構の一つであることから、当該建築について詳細な調査を同寺院の協力のもと実施した。 今年度は、研究計画ではとくに二條家と九條家をめぐる関連史料について、集中的に収集と分析の作業を行うところであった。しかしながら図らずも近衛家に関する史料がとくに収集できたことから、近衛家の屋敷に焦点を絞り、指図の分析を中心に考察し、その成果を『日本建築学会計画系論文集』に投稿、掲載決定したことも大きな成果となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

関連史料の収集と分析はほぼ当初の計画通りであって、順調に進行している。また移築転用による遺構の調査も実施することができた。さらにまた摂家の筆頭、近衛家については、復古のあり方を詳細に分析し、その成果を査読付学術論文集に投稿、掲載決定した。以上のことから総合的に判断して、研究はおおむね順調に進展しているものと考えている。

Strategy for Future Research Activity

当初の研究実施計画通り、今年度も史料調査をさらに継続する。とくに一條、鷹司の両家について、関係史料の閲覧と収集につとめる。 一條家については近年の発掘成果結果も踏まえた分析によって、発掘遺構の推定作業をすでに行っているが、様式復古の実態については不明な点が多く、関連史料のさらなる探索によって、より詳細な分析を目指す。 また鷹司家については、寛政年間の復古寝殿が鎌倉時代猪隈殿を参考にするほど典型的な様相を呈し、また裏松固禅による考証の影響も明らかなことから、とくにこの時期に注目しつつ、復古のあり方を詳細に検討する。この作業は復古造営と故実家・学者による住宅史研究との関連性を探るうえでも重要な視角となるものと期待される。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度に繰り越しの研究費が若干発生しているが、それは閲覧と収集の作業を行った史料の複写手続きがやや遅延したことや、史料整理のための人件費の支払いが年度を跨いだこと、さらに学術論文掲載料の請求が掲載時期の関係で次年度になったことによるものであって、次年度開始してすみやかに支払い手続きはなされるものである。 次年度の研究費の全体的な使用計画については、まずは次年度も引き続いて、関係書籍の購入が必要である(設備備品費)。また収集史料の整理、成果公表のための論文の別刷代が発生することも予定通りである(消耗品費)。今年度と同様に継続して行う予定の史料調査のために、関係機関に出向き、また遺構の現地調査を行う。そのための旅費が必要となる(国内旅費)。旅費の支出は今年度は当初の計画より少額となったが、次年度は予定通りを見込んでいる。収集史料の整理作業を院生などに依頼するのも今年度と同様である(謝金)。史料の複写費や京都など近郊での調査のための交通費、そして成果公表のための学会論文誌投稿料といった費用が今年度とほぼ同じように必要になるものと考えている(その他の費用)。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 近世近衛家の屋敷について―近世公家住宅の復古に関する研究 2―2012

    • Author(s)
      藤田勝也
    • Journal Title

      日本建築学会計画系論文集

      Volume: 77巻675号 Pages: 1193-1200

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2013-07-10  

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