2013 Fiscal Year Annual Research Report
コア・シェル型クラスターの作製方法と表面・界面効果による機能発現に関する研究
Project/Area Number |
23560785
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
日原 岳彦 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60324480)
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Keywords | 複合ナノ粒子 / 超伝導 / パーコレーション / 強磁性 |
Research Abstract |
平成25年度は、気相合成法によるコアシェル型ならびにバイメタル型のSn/Si及びAg/Si複合ナノ粒子の作製と電子輸送現象に関する研究を行った。雰囲気制御によりSn/Siバイメタル複合粒子を作製し、残留気体分子が生成するナノ構造に影響を与えることを明らかとした。次に、Ag/Siバイメタル粒子集合膜の電気伝導特性は、金属半導体転移により特定のSi組成で電気抵抗率が大きく変化する結果を得た。Ag/Siバイメタル粒子集合膜のホール係数をSi組成の異なる試料で測定したところ、金属半導体転移点近傍においてAgナノ粒子集合膜に比べ20倍にも達するホール係数の増大が観測された。以上、本研究は、気相合成プロセスにおける成長空間の雰囲気制御により、複合ナノ粒子の形態を制御できる可能性を示した。また、Sn/Si複合ナノ粒子ではエキシトン機構により超伝導転移温度が上昇すること、ナノ粒子間ネットワークの伝導に起因して臨界磁場が増大することを見出した。さらに、Ag/Si複合ナノ粒子ではパーコレーション閾値近傍でホール係数が増大することを発見した。新規超伝導材料や高感度磁界センサーへの展開が期待できる成果である。 次に、ヘリコンスパッタリング法により、蒸着雰囲気を変化させて作製したAl2O3薄膜の磁気的性質の評価、検討を行った。その結果に依れば、遷移元素を添加することなく室温強磁性が発現した。Ar+O2雰囲気で作製したAl2O3薄膜は飽和磁気モーメントが減少したことから、Al2O3薄膜中の酸素空孔が強磁性の主因と考えられる。また、磁性不純物をドープすると、不純物の濃度が低く固溶している場合では飽和磁気モーメントは減少した。磁性元素の混入ではなく、Al2O3薄膜自体がd0強磁性体として強磁性を発現していると考えられる。
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Research Products
(14 results)