2011 Fiscal Year Research-status Report
電子線トモグラフィー法における高速自動撮影法の開発
Project/Area Number |
23560786
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 清和 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 特任准教授 (50263223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 竜治 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 准教授 (40243183)
森 博太郎 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 特任教授 (10024366)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 電子線トモグラフィー / 超高圧電子顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、通常の方法では多大の労力と時間を要する「超高圧電子線トモグラフィー」の観察を、自動化および高速化の手法を開発することにより「高速自動撮影法」を確立することを目的としている。そのために次のような項目を開発する。1、試料を傾斜した際のフォーカスの変化を補正するための、新しいアルゴリズムのオートフォーカス。2、試料を傾斜した際の試料位置のずれを補正するための、制御画像を用いた画像認識による視野位置補正。3、上記1、2、が高速で行える制御用画像の新しい撮像方式。4、自動撮像シーケンスによる一連のシリーズ画像の撮影これらのうち本年度は1、2、について開発を行った。まず1、について、汎用機では電子ビームの傾きを変化させたときの像の移動量からフォーカスを合わせるウオブラー方式が一般に用いられる。しかし超高圧の場合は十分な傾きを得ることが困難なため精度が得られず不適当である。新たな方式としてフォーカスを変えた複数枚の画像から最適なフォーカス位置を検出する「画像尖鋭度方式」のオートフォーカスを考案し、この方式を中心に開発を行った。目標値付近でフォーカスを変えながら複数枚の画像を撮影し、そのそれぞれの画像から4方向の画像先鋭度を計算し、その値から最も先鋭度の高いつまりジャストフォーカスの位置を求める手法である。2、については撮影画像の中央付近512×512ピクセル程度で画像認識を行い、イメージシフトコイルを用いて像位置の制御を行った。ここで重要なのは1、2、とも用いる画像のS/N比が高くないと十分な動作・精度が得られないことである。従って、最もS/N比が高い冷却CCDカメラの画像を用いている。1、2、とも良好な結果が得られたが所要時間が長いという問題がある。次年度はこれら時間を要している画像取得の方法を3、で解決する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究概要の欄に示したうち、本年度の目標は下記の2項目である。1、試料を傾斜した際のフォーカスの変化を補正するための、新しいアルゴリズムのオートフォーカス2、試料を傾斜した際の試料位置のずれを補正するための、制御画像を用いた画像認識による視野位置補正1、については、汎用機で一般的に用いられているウオブラー方式ではなく、新たな方式としてフォーカスを変えた複数枚の画像から最適なフォーカス位置を検出する「画像尖鋭度方式」を中心に開発を行った。目標値付近でフォーカスを変化させ複数枚(主に5枚)の画像のそれぞれの先鋭度を4方向について求め先鋭度の変化から最も先鋭度の高い(ジャストフォーカス)位置を予測して求める。その値で取得画像を撮影する。倍率や要求する精度に合わせて複数枚の変化のピッチや枚数を選択できるようにした。また、当初予定していなかったが、試料の傾斜角とフォーカスの変化をあらかじめ測定しておき、このデータを中心にフォーカスの検索をする機能や、各角度ごとにオートフォーカスを行うのでなく、例えば10°ごとに修正を行う機能などを加えた。このことにより所要時間の短縮が図れた。これらの方法で総合的に撮影に十分な精度が得られた。2、については制御画像の中心512×512ピクセル程度で画像認識により位置ずれを検知した。この信号からイメージシフトコイルによって像位置を制御した。位置ずれが大きい場合イメージシフトのみでは像の端が欠ける場合が生じることがわかり、試料位置も制御するようにした。1、2、とも本年度の目標をほぼ実現できたと考えている。1、2、とも用いる制御画像はS/N比が高いことが重要である。そのために現在では冷却CCDの画像を用いている。これは撮影時間が他のカメラより長いため所要時間がながいという問題があるので、これを解決するため次年度では予定どおり3、を開発し所要時間を短縮する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は概要欄で述べた3、上記1、2、が高速で行える制御用画像の新しい撮像方式の開発を進める。当初予定では1枚の蛍光板の両側の発光を同時に利用する方法のみを計画していたが、これに加えて光路を高速で切り替える方法も検討する予定をしている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は当初予定した成果をほぼ得られた。従って、次年度の研究計画に変更はなく当初予定通りの計画を進めていく。
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