2013 Fiscal Year Annual Research Report
蛍石型酸化物における酸素イオンフレンケル対の特異な挙動
Project/Area Number |
23560789
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Research Institution | Junshin Gakuen University |
Principal Investigator |
椎山 謙一 純真学園大学, 保健医療学部, 准教授 (30243900)
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Keywords | 分子動力学 / 格子欠陥 / イオン結晶 / セラミックス / 原子力エネルギー |
Research Abstract |
【目的】酸化セリウム(CeO2)の格子欠陥の生成や挙動を明らかにするために、分子動力学法を用いて以下の観点を中心に調べ、CeO2中の酸素イオンおよびセリウムイオンフレンケル対の原子レベルでの挙動の理解を目指す。 【方法】CeO2中のフレンケル対に対する分子動力学計算は、ポテンシャルとしてバッキンガムポテンシャルにクーロンポテンシャルを付加したものを用い、統計集団は原子数・圧力・温度が一定のNPTアンサンブルを採用した。なお、温度は300-1200 K、圧力は0.1 MPaとした。計算セルの大きさは、CeO2の単位胞を1単位とした5X5X5の大きさとした。 【結果】1.【多数の酸素イオンフレンケル対存在下におけるフレンケル対挙動】計算セルに導入する酸素イオンフレンケル対を4対とし分子動力学計算を行った。その結果、格子間酸素イオンが(111)面上の酸素イオン層間に集合した。 2.【酸素イオン・セリウムイオンフレンケル対共存下におけるフレンケル対挙動】 酸素イオンおよびセリウムイオンフレンケル対共存下における計算を行う前に、セリウムイオン単独存在下におけるセリウムイオンフレンケル対挙動に対する分子動力学計算を行った。フレンケル対間の距離は、第1隣接から第4隣接までとした。計算の結果、第1および第3隣接ではセリウムイオン空孔あるいはセリウム格子間イオンは、<100>方向に移動してお互いに再結合した。これに対し、第2および第4隣接では、計算時間の10psまで再結合しなかった。次に、酸素イオンおよびセリウムイオンフレンケル対が共存する場合における計算を行った。その結果、酸素イオンおよびセリウムイオンフレンケル対の挙動はそれらが単独で存在する場合の結果と同じであった。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] 酸化セリウム中のフレンケル対挙動2013
Author(s)
椎山 謙一, 高木 聖也, 安田 和弘, 松村 晶, Alain Chartier, Constantin Meis
Organizer
日本金属学会2013年秋期(第153回)講演大会
Place of Presentation
金沢大学角間キャンパス
Year and Date
20130917-20130919