2011 Fiscal Year Research-status Report
FPKKR法による金属中の不純物間相互作用の第一原理計算およびデータベース構築
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23560792
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
安里 光裕 新居浜工業高等専門学校, 数理科, 准教授 (20353261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 敏春 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (70157014)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 第一原理計算 / 密度汎関数法 / KKR-Green関数法 / 原子間相互作用エネルギー / 格子歪 |
Research Abstract |
本研究の目的は, 密度汎関数法の一般化密度勾配近似(GGA)とフルポテンシャルKKR-Green関数法に基づく(GGA-FPKKR法の)第一原理電子構造計算プログラムで格子歪効果も取り入れた計算を行い, 金属中の母体元素とは別の元素(添加元素や不純物など)を不純物原子として扱い、それらの原子間相互作用エネルギーを算出してまとめ公開するとともに、相互作用のメカニズムを解明することである。上記目的を実現するため、本年度は、bcc鉄中の2原子不純物周りの格子歪および歪エネルギーの計算を行うための計算プログラムコード整備および一部計算を実行し、実験値と比較することにより本研究の第一原理計算手法の有効性を確認した。具体的には、Fe中のSnと不純物X(X=Ga, Pdなど)の周りの力を計算し、格子歪、および、相互作用エネルギーを決定した。上記について、金属学会にて発表したとともに、一部について論文発表の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り鉄中の不純物相互作用エネルギーについて、不純物が2個存在する場合の周りの母体原子の格子歪を取り扱うためのプログラムコードの整備・拡張ができており、これにあわせて実験結果が報告されている系について一部計算を実行できている。またその成果を日本金属学会で報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた結果を基にして、本計算手法による相互作用エネルギーの計算を実用金属材料のいろいろな系において適用し、異なる不純物同士の(格子歪も含めた)原子間相互作用エネルギーを周期表に沿って系統的に求めていき、結果を整理する。また、得られた結果を学会発表、および、論文発表を行い成果を公表していく予定である。また、これらの計算については、全て、置換型の不純物を考えているが、侵入型不純物の取扱いについても検討を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は主として、平成23年度に購入予定であったが、契約業者の納期遅延により導入できなかった備品(クラスターシステム計算機)の購入費、成果発表旅費、分担者との研究打ち合わせ旅費、第一原理計算の実行にあたり研究補助者への謝金に使用する。
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