2012 Fiscal Year Research-status Report
全固体型超短パルス深紫外レーザーガラスの開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
23560802
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
村田 貴広 熊本大学, 教育学部, 准教授 (70304839)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猿倉 信彦 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センタ, 教授 (40260202)
|
Keywords | 機能性ガラス / フォトニクスガラス / 深紫外 / fsレーザー |
Research Abstract |
本研究では,ナノ構造材料の創製や短波長域の分光学において開発が切望されている全固体型超短パルス深紫外レーザーの開発を最終目的として,系統的にマトリクス組成を変化させた Pr3+ ドープガラスを調製し,Pr3+の深紫外蛍光強度とガラス組成の関係を明らかにし,最適ガラス組成を決定するとともに,Pr3+の深紫外蛍光機構を解明する基礎的研究を行う.さらに,最適化したPr3+ドープ ガラス組成について,実用化へ向けたレーザー特性の評価を行う. 今年度においては,Pr3+の深紫外蛍光機構の解明について研究を行った.その結果,Pr3+の4f5d準位が4f準位の1S0と重なるようなマトリクスガラスにおいて深紫外蛍光を示す傾向にあることが推定された. 並行して,前年度最適化したマトリクスガラスにEr3+をドープしたところ,Nd3+と同様に,真空紫外蛍光を示し,このマトリクスガラスが深紫外のみならず真空紫外レーザーとしてのポテンシャルを有していることが確認された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度では,Pr3+の深紫外蛍光機構を解明することで,更なる組成改良のための材料設計指針の確立に向けた道筋の糸口となった.さらに,このマトリクスガラス特有の材料設計に対する自由度の高さから,真空紫外蛍光を示す希土類イオンドープガラスの開発も進展した.
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度までの研究成果に基づいて,深紫外ガラスレーザーの候補となる最適ガラス組成を選択し,レーザー特性評価を行う.具体的には,レーザー特性評価システムを用いて,レーザー特性に関わる基礎物性の集積を行う.これと並行して,これまでに開発を進めてきた短波長蛍光を示すCe3+,Pr3+,Nd3+,Er3+を比較し,希土類イオンドープガラスの深紫外レーザーの可能性について俯瞰的に比較検討を加える.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予算全体の6割をガラス調製およびレーザー特性評価に関する消耗品の購入に,成果発表・打合せ・実験・情報収集などに関する旅費に4割を充当する.
|