2013 Fiscal Year Annual Research Report
表面酸素欠陥のオーダー化による単結晶酸化チタン光触媒活性の高効率化
Project/Area Number |
23560807
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊熊 泰郎 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (10159593)
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン単結晶 / 多重溝 / 面方位 |
Research Abstract |
各種面方位のルチル型酸化チタン単結晶に研磨の手法で一方向性多重溝を各種方位に導入し、光触媒活性変化を調べた。前年度までは平滑な(001), (100), (101), (114)面および、多重溝を付与した(001), (100)面についてリノール酸分解による光触媒活性を調べた。今年度は(101), (111)面について行った。その結果、オリフラに対して垂直、平行、45oの多重溝を付与しても光触媒活性が高くなることはなかった。さらに、多重溝の付与方法を改善するため、フォトリソグラフィーの手法を用いて2μm間隔の一方向性多重溝を導入し、溝の深さも統一した。この手法の多重溝では、加熱処理した(001)面のオリフラに垂直方向に多重溝を付与した場合だけ、光触媒活性が回復した。 口頭発表時の質疑及び論文投稿時の査読において、紫外線照射によるリノール酸の質量変化で光触媒活性を評価するのは、(1)濡れ性が関与しないか、(2)蒸発などの要因が関係してこないか、などの批判や質問があった。これに応えるべく、(1)リノール酸の接触角の測定と、(2)2重結合数が異なるオレイン酸、リノレン酸の質量変化も調べた。(1)について、接触角計を急遽購入し濡れ性を測定した結果、酸化チタン上のリノール酸の接触角とその酸化チタン面の光触媒活性の間には相関がないこと、つまり、濡れ性が光触媒活性に関係しないことが明らかとなった。また、(2)二重結合が多い有機酸ほど、分解速度が速く、質量変化は蒸発ではなく、この手法で光触媒活性を評価することの妥当性が確認された。 今年度は加熱処理した(001)面の表面X線回折によるCTRの解析を行った。その結果、この(001)面はHF処理面と同様に{101}ファセット面が存在するが、ファセットの途中に(001)面が混在し、平均すると緩やかなファセット面であることが示唆された。
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Research Products
(20 results)