2011 Fiscal Year Research-status Report
界面熱伝導評価方法の開発およびGe/Si界面熱伝達率の制御
Project/Area Number |
23560813
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
徐 一斌 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 主幹研究員 (30354244)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 界面 / 熱伝導 / 周波数領域法 / 分子動力学シミュレーション |
Research Abstract |
本研究は、複合熱電材料に多く存在する半導体/半導体界面を対象として、単一界面の熱伝達率の測定手法を確立する。実験と分子動力学シミュレーションの2方面からのアプローチにより界面熱伝導のメカニズムおよび界面付近の結晶構造や、粒子サイズ、ラフネスなどの影響を解明する。さらに、その結果に基づいて、Ge/Si界面を対象として、成膜条件を精確にコントロールすることにより界面熱伝達率の高度制御を実現する。 平成23年度には、周期性出力可変レーザを用いた界面熱伝達率測定装置を作製し、薄膜と基板の二層系システムに対して、周期性レーザによる加熱時の熱伝導方程式を解き、表面温度の振幅、位相と界面熱伝導度の関係式を求めた。Au/サファイア試料を用いて、その界面熱伝達率を評価し、他の測定法による測定値、および理論計算の結果と比較し、装置の有効性と精度を検証した。 さらに、共有結合系に適用可能なStillinger-Weber(SW)ポテンシャルの計算プログラムを作成し、Si/Ge界面に対して、入抜熱を伴う非平衡分子動力学計算により計算系に温度勾配を生じさせ、界面での温度ギャップからSi/Geの界面熱抵抗を算出した。計算モデルとしては、数万原子系モデルおよび数十万原子系モデルの2つのモデルを用意し、結果を比較した。また、それぞれのモデルに対して、平均温度50、300、500、700Kでの界面抵抗を算出した。それにより、理想Si/Ge界面の熱抵抗の温度依存性と層間距離依存性についての知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H23年度は、界面熱伝導の測定手法の確立と理想Si/Ge界面熱抵抗の分子動力学計算に成功し、本年度の研究目的を全部達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実際のSi/Ge界面熱抵抗を測定し、実験とシミュレーションの両面から、界面熱抵抗と界面領域の組織構造や、結晶欠陥などとの関係を解明し、低熱伝導Ge/Si界面の構造を設計し、低熱伝導Ge/Si材料を実現する。 H24年度は、マイクロそしきコンビナトリアルスパッタ装置を利用して、Si基板上に数百ナノメートル厚のGe薄膜を作製する。基板の結晶方位や、表面粗さ、基板温度、RFパワー、ターゲット―基板間距離、チャンバー内ガス雰囲気などを変えることにより、基板表面の物理・化学状態や、原子が基板表面に衝突するエネルギーなどを制御し、マイクロ組織の異なる界面を作製する。作製された試料について、その界面の熱伝達率を測定し、成膜条件と構造との関係を解明する。さらに、空孔やアモルファス領域などを含むGe/Si界面のモデルを作成し、界面熱伝導の分子動力学シミュレーションを行い、界面熱伝達率を計算する。そして、それらの欠陥の界面熱伝達率に及ぼす影響を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度の研究費は、Si/Ge界面の試料を作成するためのターゲットや、基板などの消耗品、界面熱抵抗測定装置用の光学、機械物品の購入・加工、シミュレーションソフトの追加プログラム作成、および学会参加、論文掲載などに使用する予定である。
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Research Products
(7 results)