2013 Fiscal Year Annual Research Report
グラフェン類の表面改質とナノハイブリッド化による高感度分子センシング材料の合成
Project/Area Number |
23560820
|
Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤木 一浩 新潟工科大学, 工学部, 教授 (60251865)
|
Keywords | カーボンナノチューブ / グラフェン / ナノ材料 / 表面グラフト / ゾル-ゲル反応 / 無機/有機複合材料 / 分子センシング |
Research Abstract |
本研究は、環境中に存在する内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)や揮発性有機化学物質を、安価に且つ迅速に検出する手法の開発を目的として、新しい機能性材料として注目を集めているグラフェンやカーボンナノチューブ等の炭素ナノ材料を用いて、 発泡スチロール(ポリスチレン)及びPETボトル(ポリエチレンテレフタレート)の廃プラスチック材料との存在下で、ゾル-ゲル反応を行うことにより、これらのナノ材料やポリマーがマトリックスゲル中に均一に分散した柔軟性を有する導電性無機/有機複合膜を合成するとともに、内分泌撹乱化学物質等に対して特異的選択的に応答・検出する機能を付与した分子認識センサーの合成を試みる。 これまでに、ビニルフェロセンを用いて各種コポリマーを合成し、コポリマー中のフェロセン部位と炭素ナノ材料の表面縮合芳香族環との配位子交換反応により、対応するコポリマーが表面グラフトした高分散性の炭素ナノ材料を得られること、及びこのようなポリマーグラフト化炭素ナノ材料との共存下でゾル-ゲル反応を行うと、ポリマーとナノ材料の2つの成分がマトリックスゲル中に均一に分散した無機/有機ナノ複合膜を合成できることを明らかにした。 最終年度は、ゾル-ゲル反応プロセスにおける金属アルコキシド成分の種類、添加量、添加する廃プラスチック由来のポリマー及びポリマーグラフト化炭素ナノ材料の添加量、添加比率等について詳細に検討し、合成した無機/有機ナノ複合膜を用いて揮発性有機化学物質や内分泌撹乱化学物質の吸着特性を測定したところ、添加したポリスチレンあるいはPETとナノ材料表面のグラフト鎖の両方に共通する良溶媒成分となる物質に対して、吸着量が著しく増大することが明らかになった。また、この際のナノ複合膜の電気抵抗値の挙動を測定したところ、簡便で且つ精度・応答性良く吸着量を検知するセンサーとして利用できることがわかった。
|
Research Products
(5 results)